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米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスが日本国債の格付けを「Aa3」から「A1」へ1段階引き下げた。消費再増税の
延期を決めた安倍晋三首相の財政健全化にかける「本気度」に疑問符を付けた格好だ。アベノミクスの是非を問う衆院選公示の前日と
いうタイミングの格下げは、財政再建を巡る論争にも影響を与えそうだ。【三沢耕平、鈴木一也】
◇財政再建論争にも影響
「財政再建目標を達成する主要な政策手段は消費増税だ。その消費増税が延期されたことは重要な判断ポイントだ」。格付けを担当
した同社の債券担当アナリスト、トーマス・バーン氏は1日夜、東京都内で記者会見し、格下げの理由に再増税の延期があることを
強調した。
バーン氏は、7?9月期の国内総生産(GDP)が2四半期連続でマイナス成長となったことにも触れ、「デフレ圧力の下での成長促進策
の不確実性」も要因の一つと指摘。アベノミクスの第三の矢である成長戦略について「改革案が示されたとしても、その実施には時間が
かかる」と述べ、日本経済の低迷が長引くとの見方も示した。
政府は、財政健全化の指標である基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字を2015年度までに国内総生産(GDP)比で
10年度の半分とし、20年度に黒字化する目標を掲げている。消費増税の先送りによって「事実上、目標達成は不可能になった」
(外資系証券アナリスト)との見方が強まっていた。
ただ、格下げを受けた市場の反応は限定的だった。円相場は、一報が伝わった同日夕に1ドル=119円台前半まで円安が進んだ
ものの、すぐに118円台前半まで買い戻された。長期金利もわずかな上昇にとどまった。
みずほ証券の石津健太マーケットエコノミストは「日銀が大量に国債を買っている以上、金利が急上昇するリスクは少なく、影響は
限定的」と指摘する。
それでも、当面の景気を下支えするための経済対策に対し、総選挙に突入する与党からはさらなる金額の上積みを求める声が
出ている。
財務省では「大規模な補正予算を組めば、財政再建にかける市場の信頼はさらに低下する」(主計局幹部)との声が出ている。
ソース(毎日新聞) URLリンク(mainichi.jp)
写真=日本国債の格下げについて記者会見するムーディーズのトーマス・バーン・シニア・バイス・プレジデント=東京都内のホテルで
2014年12月1日、長谷川直亮撮影
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