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国産小型ジェット旅客機「MRJ」機体公開
10月18日 19時29分
URLリンク(www3.nhk.or.jp)
およそ半世紀ぶりの国産旅客機として開発が進められている小型ジェット機「MRJ」の初めての機体が完成し18日、愛知県の工場で公開されました。
「MRJ」=三菱リージョナルジェットは、三菱重工業の子会社「三菱航空機」が開発している小型ジェット機です。
飛行試験用の初めての機体が完成し、愛知県豊山町の工場で行われた式典で関係者に公開されました。
機体は全長が35.8メートル、全幅が29.2メートルで、両翼には1基ずつエンジンがあります。
機内には78から92の座席が設けられることになっていて、新興国を中心に需要が高まっている近距離の地域を結ぶ路線での利用が想定されています。
会社側では、今月から愛知県内で機体の強度を確かめる試験を始めていますが、飛行試験用の機体が完成したことで、
来年4月にも飛行試験を行う計画です。そして順調に進めば、早ければ3年後の平成29年4月に
量産型の最初の飛行機が全日空に引き渡されることになっています。
MRJは「YS-11」以来、およそ半世紀ぶりとなる国産旅客機で、燃費性能のよさを売りにすでに
国内外の航空会社からおよそ400機を受注しています。開発当初のねらいの1つである日本の産業振興や
雇用の拡大につなげるには、今後の開発を計画どおりに進め、さらに受注を伸ばせるかどうかがカギとなります。
「MRJ」とは
「MRJ」=三菱リージョナルジェットは、三菱重工業の子会社「三菱航空機」が平成20年から開発を進めている
小型のジェット機です。国産旅客機としては、東京オリンピックが開かれた昭和39年に開発された戦後初の国産旅客機、
「YS-11」以来、半世紀ぶりの開発となります。
座席数は78席と92席の2種類で、航続距離は最大でおよそ3400キロメートルと、現在、国際線で運航されている
主要な旅客機と比べて4分の1程度ですが、新興国を中心に需要が高まっている近距離の地域を結ぶ路線での利用が
想定されています。燃費性能の高さを売りにしていて、炭素繊維の複合材を使って機体の軽量化を図ったほか、
新型のエンジンを採用したことで、競合する海外メーカーの機体に比べて、およそ20%燃費が向上したとしています。
平成20年に、「全日空」から初めてとなる25機の受注を受け、その後、受注を増やしてきました。アメリカの航空会社では、
「トランス・ステーツ・ホールディングス」から100機、「スカイウエスト」から200機、「イースタン航空」から40機を受注しました。
さらにミャンマーの「エア・マンダレイ」から10機の受注を決めています。また、ことし8月には、
「日本航空」との間で32機受注することで基本合意を結んでいます。
もともとMRJは、日本の産業の振興と雇用の拡大を目指した官民挙げたビッグプロジェクトとして開発が始まりました。
航空機にはおよそ300万点の部品が使われることから、中小企業を含む多くの企業にメリットが及ぶことが期待されるためで
航空機産業が将来の日本の成長産業になるのかどうか、MRJはその試金石とも言えます。
リージョナルジェットの市場は
座席数が100席規模以下の小型の旅客機、リージョナルジェットの市場は、カナダとブラジルのメーカー2社が高いシェアで二分しています。
業界団体の日本航空機開発協会によりますと、世界の路線で運航されているリージョナルジェットは、
去年末の時点でおよそ3500機あります。このうち最もシェアが高いのは、ブラジルの「エンブラエル」で、
およそ46%を占めています。次いでカナダの「ボンバルディア」がおよそ37%となっていて、この2社を合わせるとおよそ83%に上ります。
この2社以外にもロシアや中国が新規参入していて、「MRJ」も加わることで競争は激しくなる見通しです。
ただリージョナルジェットの市場は、新興国を中心に需要が高まっていて、今後20年間でおよそ5000機の新規の受注があると見込まれています。