【経済】アベノミクスで「円安不況」がやってくる…「偽薬効果」は円安のコスト増で消えた。グローバル企業の「空洞化」は元には戻らないat BIZPLUS
【経済】アベノミクスで「円安不況」がやってくる…「偽薬効果」は円安のコスト増で消えた。グローバル企業の「空洞化」は元には戻らない - 暇つぶし2ch2:Hi everyone! ★
14/10/07 02:06:44.65
>>1の続き)

 その結果、潜在成長率はほぼゼロに低下し、実質成長率もゼロに近づいている。潜在成長率というのは成長率の天井なので、それを
超えて持続的に成長することはできない。潜在成長率を上げるには、生産性を上げるしかないのだ。

 ただ民主党政権の「アンチビジネス」の政策で株価が過小評価され、投資が萎縮していたことは事実であり、その気分を偽薬で変えた
黒田総裁の功績は大きい。多くの人が懸念していた国債バブルの崩壊も、今のところ避けられた。

 今のうちに「量的・質的緩和」から撤退し、2%のインフレ目標を延期して、これ以上の円安を防いだほうがいい。1ドル=110円以上の
円安は、大企業のメリットよりも中小企業や消費者のデメリットのほうがはるかに大きい。

■日本はこれからグローバル資本主義になる

 2010年代に起こった「空洞化」は、元に戻らない。例えばパナソニックの海外生産比率は55%だが、海外で生産した製品はほとんど
そのまま海外へ輸出されるので、もともと日本を通っていないため、ドル/円は影響しない。

 国内で売り上げの立っている45%も、付加価値の大部分は海外法人で生み出されている。半導体のような成熟産業では、人件費や
法人税が日本よりはるかに安いアジアで生産することが合理的で、為替レートは世界最適生産のポートフォリオの1つの要因にすぎない。

 円高局面では製造業の業績が急速に悪化したので、海外生産を増やしても最終工程だけ日本でやり、本社の決算を黒字に見せる
「お化粧」が行なわれていた(これは違法な粉飾決算とは違う)が、株主の立場から見ると、こういう益出しは不合理だ。

 グローバル生産体制を取っている企業では、企業会計もグローバルな連結決算になっていることが多いので、法人税率40%の日本
より13%の台湾で納税することで税引き後の(配当可能な)利益は最大化される。

 株主利益の最大化のためには、日本から輸出するより海外で生産して海外に輸出し、海外で投資したほうが効率がいいのだ。
日本では2011年以降、こうした海外法人からの配当や金利による所得収支の黒字が貿易収支の赤字を埋めている。

 さらに効率的なのは、ケイマン諸島などのタックスヘイブン(租税回避地)に登記上の本社を置くことだ。もちろん各国の税務当局は
そういう節税を規制しているので、規制をくぐり抜ける金融技術が発達する。「デリバティブ」と呼ばれる金融商品のほとんどは「金融
工学」ではなく、こうした節税で利益を上げている。

 アメリカの経常収支は大幅な赤字だが、こうしたオフショアで上がっている「裏の黒字」が多い。トマ・ピケティの『21世紀の資本論』は、
世界の対外資産の合計は対外債務の合計より少なく、世界のGDPの少なくとも7%が「地下経済」に隠されていると推定している。
正直に対外純資産を計上しているのは、日本とドイツだけだ。

 グローバル企業の株主にとっては、法人税も人件費や材料費と同じコストの1つなので、それを最小化するように生産拠点を配置する
ことが合理的である。日本政府に義理立てして「年産300万台」と約束しているトヨタ自動車は不合理で、タックスヘイブンでほとんどの
利益を上げるアップルが合理的なのだ。

 ピケティも指摘するように、こうしたグローバル資本主義とナショナルな政府の闘いは、原理的には政府に勝ち目がない。日本企業も
これからますます「空洞化」し、グローバル企業の納税額も減ってゆくだろう。それは資本主義では避けられないことだが、人類は
それよりましな経済システムを知らない。

(終わり)


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