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中国シンセンで筆者が感じたのは絶望だった。
この世界では、日本は田舎すぎる。
http://ch.nicovideo.jp/iyokan_nico/blomaga/ar593068
シンセンには秋葉原の30倍近い面積をもった電気街がある。電気街といっても完成品を
売るぬるい場所だけではない。秋葉原のラジオ会館のように本当にマニアックな製品や、
部品を抵抗1個から売る店が並んでいるのだ。LED部品だけでビルの1フロアを占拠して
いるのをみたときは、本気で頭がくらくらした。40店舗近くあり、道を歩いても歩いても
LEDしか売ってない……。
シンセンにないものは、世界にはないとおもって良い。
この環境がモノを作る人にとってどれだけのアドバンテージか、想像してみてほしい。
何か思いついたら部品屋にいけば実装できるかすぐにわかる。実装できるとおもえば発注
してしまえば工場に部品が渡る。ちゃんと工場で作ってくれるかどうかは、工場まで
いってしまえばいい。極端な話、思いついて数時間で量産までいけるのだ。圧倒的な
スピード感だ。
この環境を最大限生かしているのが、アメリカのベンチャーインキュベーターだ。Haxと
呼ばれる現地インキュベーション施設では、半年で10組のベンチャーを育てている。
Haxは世界中の優秀なチームを書類審査で集め、シンセンのオフィスに詰め込む。
応募したチームは共同オフィスで他のチームと競い合いながら新製品を開発するのだ。
必要な生活費や、場合によっては開発費もインキュベーターが出資する。
なんでもあるシンセンで、世界一頭のいい若者達が、圧倒的な速度でモノをつくって
クラウドファウンディングに出して世界にその成否を問う。ヒットしたものは資金注入を
してさらに拡大だ。10チーム中1チーム芽が出ればもうけもの。
ITムーブメントでノウハウを蓄積したアメリカならではの合理的なシステムが築かれている。
頭の良いやつらが資本主義をアクセルべたぶみで乗りこなしているのだ。
日本はどうだろうか? ちんたらと通販で取り寄せたものでプロトタイプし、工場生産の
ノウハウをロクに教えられる人もなく、部品や工場も十分にそろっていない。
クリエイターの能力が一緒だとしても、環境による差が大きすぎないだろうか?