14/08/29 08:54:00.68
ソース(ダイヤモンド・オンライン、「日本の条理は世界の不条理!?」田島麻衣子氏)
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「365日24時間死ぬまで働け」
「鼻血を出そうがブッ倒れようが、とにかく一週間全力でやらせる。そうすればその人はもう無理とは口が裂けても言えない」
改めて読み返してみても、すごいロジックである。
カリスマ創業者の存在感も手伝い、今や映画や書籍、はたまた2ちゃんねるまで、「ブラック企業」は現在の世論を席巻してしまった感
がある。
そうしたなかで先月末、また一つの企業が社会の注目を集めた。深夜営業の「ワンオペ」が話題の牛丼チェーン店すき屋だ。
この経営母体である株式会社ゼンショーホールディングスに対して、第三者委員会による調査報告書 が提出された。自主的に
こうした調査を行った同社には、敬意を表したい。
そしてこの調査報告書には様々な感想が寄せられた。中には、あの大正・昭和初期の労働者達の厳しい労働環境を描いた
小林多喜二の小説『蟹工船』にも匹敵する過酷な仕事現場、という声まで挙がった。だから筆者もこれを機会に、同小説に目を
通した。当時の労働者達を取り巻いた非人間的な労働環境は、現代のインターネットとテクノロジーが人類の未来を拓く平成の
新しい時代とは相当逆行する哀歌に一瞬、見える。
■外国人に「ブラック企業」を英語で説明するにはどうすればいいか
さて、こうして日本社会の注目を浴び続ける日本のブラック企業であるが、このブラックな存在を海外の人々に説明するためには
どうしたらいいのだろう。ダイヤモンド・オンラインに目を通すような堅実な読者の方は、「ブラック企業」だからといって、英語で説明する
際に”Black Company!”などとは口走らないでいただきたい。英語圏の人々にとって「Black Enterprise」と言えば、普通はアフリカ系
アメリカ人が経営する企業のことを指す。また「Black Company」と言えば、アメリカで長年続くフィクション小説シリーズのタイトルだ。
同じ黒でもとんだ黒違いであるので、ご注意を。
海外で似たようなコンセプトはないのかと探せば、「Sweatshop」というものが挙がるかもしれない。スウェットの上下と聞いて読者の方
が想像するように、これは主に衣服を縫製加工する工場の劣悪な労働環境のことで、19世紀20世紀初頭のロンドンやニューヨークで
社会問題化した。
これに対して、ロンドンの人々は団結して工場と交渉し、世界でも先駆けとなる最低賃金の設定に関する労働者保護立法や、労働組合
の設立のきっかけを作った。だから同時期に、大陸を隔てたオホーツク海上の日本漁船で、生命の危険を犯しながら蟹工船に乗り組み
蟹を水揚げしていた人々の苦労が、その後どのような形で日本社会に制度としての恩恵をもたらしたのかについても、筆者は是非知って
みたいと思う。両者の意味するところは似ているので、Sweatshop-type office work system in Japanと言えば、大体の外国人がそれに
近いイメージを脳裏に浮かべることができるのではないかと思う。
(>>2以降に続く)