14/08/14 17:46:55.59
人気を失うジャガイモ
URLリンク(jp.wsj.com)
ジャガイモは過去5世紀のほとんどにわたり人気を博してきた。しかし、最近ではこのつつましい野菜は苦難の時期を迎えている。
独立以前から米国人の食事に欠かせない存在だったジャガイモは、この20年間に人気を失った。消費者は炭水化物を避け、
より便利さを求めるなかで、でんぷん質のこの付け合わせ野菜から遠ざかるようになった。この二つの要因が食生活の変化の背後にあるのだ。
米農務省の統計によると、ジャガイモ類の総消費量は1996年にピークを迎えたあと、
2012年には約25%減少して国民1人当たり52ポンド(23.4キログラム)となった。生鮮ジャガイモ―焼いたり、
刻んだり、マッシュトポテトにしたり、細切りにしたりするもの―はさらに大きく落ち込んでおり、12年の消費は27ポンドと、70年の約47ポンドから40%以上も減少した。
いつも時間に追われており、料理時間も短くなる一方の米国人は、
旧来型オーブンで1時間かけて焼くのは当然としても、電子レンジでジャガイモ一つを加熱するおよそ10分という時間さえ惜しむ。
コンサルタントのダイアナ・ダールさん(47)は、あらゆるジャガイモ料理を食べて育ったが、
今では時間の節約のために、伝統的なジャガイモ料理はしないという。彼女は「出来合いのものがいい」と話した。
彼女は太る元となるフライドポテトは避けるが、ポテトチップスは楽しみとして自らに許している。
そう話しながら彼女はシカゴのプラム・マーケットの店舗で、ライスチップスとキヌア・チェダー・チップスを買った。
ジャガイモは依然として有力事業だ。農務省によると、生のジャガイモは12年に約40億ドル(4100億円)
の売り上げがあったが、加工品はこれを大幅に上回る。調査会社ユーロモニターによると、ポテトチップスとポテトクリスプの昨年の売り上げは75億ドルだった。
メーカーは、ヘルシーなフライドポテトや小さなフィンガーリング・ポテトといったグルメ向きオプションなど
新製品や販促、新しい味付けでジャガイモの人気を取り戻そうとしている。
アイダホ州でジャガイモを生産しているワダ・ファームズ・マーケティング・グループLLCの販売部長クリス・ワダ氏は
「素晴らしかったころを取り戻す」と話した。同社はワダ氏の祖父母が1943年に設立したもので、
同社はスモールズ・アーティザン・ミニポテトという、電子レンジで5分で調理できる一口サイズの赤や金色のジャガイモを売り出そうとしている。
デンバーに本拠を置くジャガイモ業界の団体、米ポテト協会は、ヘルシーな食材としての
ジャガイモのイメージアップを図ろうと、生活スタイル雑誌に広告を載せている。これまでの広告では、
甘そうなジャガイモ料理の写真があり、「罪深そうに見えるからといって、罪深いわけではない」
というキャプションが付いていた。新しいものは読者を協会のサイト(www.potatogoodness.com)に導くようになっており、
ここではジャガイモを使ったレシピ(一部はカロリー控えめ)、栄養の説明、その他を紹介している。
農務省によると、中くらいの朽ち葉色の生鮮ジャガイモの熱量は約168キロカロリー、
含まれているのは炭水化物37グラム、脂質や塩分はほぼゼロ、カリウムとビタミンCが豊富だ。