【電機】「日本でのもの作りをあきらめない」…三洋電機からパナソニック、そしてハイアールへ、二度売られた三洋電機社員のいま[08/11]at BIZPLUS
【電機】「日本でのもの作りをあきらめない」…三洋電機からパナソニック、そしてハイアールへ、二度売られた三洋電機社員のいま[08/11] - 暇つぶし2ch2:Hi everyone! ★
14/08/11 08:10:13.76
>>1の続き)

■今は楽しくてしかたない

 三洋電機の冷蔵庫、洗濯機事業を買収したハイアールは、ハイアール・アジア・インターナショナル(HAI)というアジア統括会社を
作り、その下に国内の開発、販売部門と海外の工場、販売拠点を配置した。旧東京製作所にあるのは冷蔵庫R&Dセンターである。
約150人の元三洋電機社員がダークグリーンの作業服を着て働いている。

 「彼らは常に中国や東南アジアを飛び回り、現地で技術指導や共同開発を進めています」。冷蔵庫R&Dセンター長でHAIの副社長
を兼ねる土屋秀昭は今はそう説明する。三洋電機時代には考えられなかったようなグローバルな働き方をしている。

 洗濯機の開発を担当するある技術者は「ハイアールになってから初めて、世界中の洗剤メーカーと話をしました。国が違うとこれほど
洗濯の仕方が違うのか、と驚きました」と話す。世界市場を見据えた製品開発が「楽しくてしかたない」と笑みをこぼす。

 洗濯機と洗剤の相性は大切だから、洗濯機の技術者が洗剤メーカーの人間と情報交換するのは珍しいことではない。だが三洋電機
時代の相談相手は、日本の洗剤メーカーに限られていた。「日本で通用すれば世界で通用するはず」という思い込みがあったからだ。

 しかし衣類の汚れは食べ物の種類によっても違う。カレーと豆板醤と醤油では汚れの質が違う。高温多湿の日本では、汚れ物を
その日のうちに洗うが、汗をかきにくい寒冷地の洗濯は週に一度。一週間で染み付いた汚れはなかなかに厄介だ。日本で売れる
洗濯機がそのまま世界で売れるほど甘くはない。

■数倍の速さで時間が流れている

 2014年2月、ハイアール・アジア・インターナショナルR&D本部のディレクター、松本雅和は中国・青島のハイアール本社にいた。
松本は三洋電機の洗濯機事業部門で30年以上、開発を担当してきた。ハイアールの一員になったその日から、中国語はおろか、
英語もまともにしゃべれない松本のパソコンに毎日、何十通もの英文メールが入るようになった。まさか50歳を過ぎて、30代、40代の
中国人を前にプレゼンテーションをすることになるとは思いもしなかった。

 このとき松本が日本から携えていったアイデアの一つは「ツインパルセーター」という二つの撹拌羽根を持つ縦型の洗濯機だった。
日本の洗濯機の主流はドラム式だが、乾燥機を兼ねるドラム式は25万円~35万円もする。松本たちは世界で売れる洗濯機を作るため、
あえて縦型に逆戻りし、しかも二つの撹拌羽根で衣類のからみを抑制し、ドラム式並みの節水性能を実現した。

 「面白い。日本でヒットしたら、世界展開のためのモデル開発もお願いしましょう」

 青島でのプレゼンで、松本はハイアールの幹部から、こんな言質を取り付け、心の中で「よしっ」と快哉を叫んだ。

 ハイアールグループでは年に2回、5月と9月に5ヵ国のR&Dセンターが競うグローバル・コンペがある。青島の本社が「こんな製品を
作れないか」とオファーを出すと、5ヵ国のセンターが「うちにやらせてくれ」と手を上げる。白物家電の開発に関しては、現時点で日本の
実力が飛びぬけているから、松本たちは本社のオファーを注意深く吟味し、利益が出せそうなものに絞って手を上げる。

 松本が驚いたのは開発が決まってからのスピード感だ。日本なら2、3年は企画を温めるところだが、ハイアールでは企画が決まると
本社から「すぐ作れ」と号令がかかり、半年後には製品が店頭に並ぶ。品質基準などで譲れないところは、いくら本社がせっついても
「無理なものは無理」と突っぱねるが、それでも数倍の速さで時間が流れている感覚だ。

(さらに続きます)


次ページ
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch