14/08/06 02:17:24.69
ソース(現代ビジネス) URLリンク(gendai.ismedia.jp)
誰もがその名前を知っているような会社ではないが、世界市場でトップシェアを誇る?そんな企業が日本にはいくつもある。
一風変わった社風で、独自の道を突き進む彼らの「秘密」に迫った。
■社長にしかられてもやる
「社長の決定に反して、勝手な研究をするなんてけしからん!」
堀場製作所の初代社長堀場雅夫氏は、そうやって一人の社員を怒鳴りつけたことがあったそうだ。
「昭和30年代後半、自動車の排ガスが大きな社会問題になり始めていた頃のことでした。通産省(現経産省)の研究所から、『肺機能
分析計を使って車の排ガスを測る実験をしたい』という申し出があったのです。しかし私は、〝神聖な〟医学用の機械を転用するのは
気が進まず、この話を断っていました」(堀場氏)
ところが、一人の若手技術者が社長に隠れて、こっそり排ガス計の研究を続けていた。社内で見慣れない機械を見つけた堀場氏は、
その社員を問い詰め、冒頭のように怒鳴りつけた。このとき大目玉を食らった男が、二代目の社長になる大浦政弘氏である。
「私がしかりつけたのですが、大浦は逆に『これは必ず社会の役に立ちます』と切々と訴えてきました。常々『社員の自由な発想を
尊重する社風』を掲げてきたので、私としても渋々、研究の継続を認めざるを得なかった」(堀場氏)
それから10年後、大浦氏が開発した排ガス測定装置はどこの自動車メーカーの製造ラインにも置かれるようになり、堀場製作所の
売り上げの40%を占める大ヒット製品になった。同社は現在も、排ガス計の世界シェア8割を握っている。
日本には、トヨタやキヤノンといった誰もが知る世界的な企業がたくさんある。だが同時に、一般にはそれほど知られていないが、
群を抜く技術力で他社を圧倒し、世界市場でトップシェアを獲得している企業も少なくない。それらの企業は、潤沢な資金で研究開発
を進めるわけではないが、一風変わった社風でユニークな技術力を培ってきた。
彼らは、どのような戦略でトップシェアを獲得したのか。日本経済を支える「底力」はどのように生み出されているのだろう?
冒頭の堀場製作所は、いまでこそ東証一部上場の大企業だが、元は戦後間もなく京都で設立された「学生ベンチャー」だった。
名もない中小企業には京大生などのエリートは関心を示さず、苦労した堀場氏は一計を案じた。
「社員各自が仕事で取り組んでいるテーマで、博士号を取れるようにしたのです。『博士論文にならないような仕事に独創性はない。
いまやっている仕事で博士号をとろう』と呼びかけました。やりたいことをやって学位がとれれば、それに越したことはありませんから」
このことで、「中小企業に入社して貧乏くじを引いた」と感じていた社員の気持ちがガラッと変わった。
■朝から晩までタマ洗い
「排ガス計の件でもそうでしたが、社員の自由な発想が会社を成長させてくれるんです。我が社の社是を『おもしろおかしく』と掲げて
いるのも、そうした思いからです。社員には『出る杭は打たれるかもしれないが、出過ぎた杭は打たれない。出方が少ないから叩かれる
んだ』と話しています」
堀場氏は、社員のやる気を起こさせるために、さまざまな工夫をしてきた。いち早く週休2日制を導入し、25年以上前に月1回の
週休3日制を採用している。また、社員の福利厚生は社内の厚生部ではなく、別会社が担当している。「社内で片手間にやっていても、
本気の福利厚生サービスなどできっこない」と考えるからだ。
これも社員が「おもしろおかしく」仕事ができるようにという配慮だ。世界シェア8割という驚異の数字は、このようにして培われた社員の
発想力に支えられている。
(>>2以降に続きます)
※スレ立て時に全文閲覧可能であることを確認済み。 8/6 2:09現在