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首都圏マンションの供給ガタ落ち 郊外型は深刻、「成立しなくなる」
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着工の遅れなどが影響して、首都圏マンションの供給が大きく減っている。
2013年が前年比23.8%増の5万6478戸と活況だった首都圏マンション。
しかし、急速に供給不安が広がるなか、「5万戸」を割り込む可能性もでてきた。
三菱東京UFJ銀行と三井住友銀行、みずほ銀行は2014年8月1日から適用する10年固定型の住宅ローンの金利を、
過去最低の年1.3%の水準にまで引き下げた。住宅ローンの金利の指標となる長期金利がこのところ低下傾向にあるためだが、
消費税率引き上げの影響でマンション販売や住宅着工が減少するなか、顧客を繋ぎとめようという狙いもある。
とはいえ、足もとではマンションが売れていないわけではない。不動産経済研究所の首都圏マンションの市場動向によると、
6月の新築マンションの契約率は76.6%。前年同月比で5.0ポイント、前月比でも2.3ポイント減ってはいるが、
好不調の目安とされる70%は超えている。即日完売物件も、7物件137戸あった。
心配されているのは、「供給減」だ。不動産経済研究所によると、6月の首都圏マンションの新規発売戸数は3503戸で、
前年同月に比べて28.3%も減った。前月比でも18.5%減っている。同研究所は「3500戸の水準は、2011年(6月)の
東日本大震災直後の水準(3441件)です。当時、業者が販売を『自粛』していたことを考えれば、かなり低いと言わざるを得ません」と説明する。
大幅な供給減の原因は、人手や原材料不足などに伴う建設コストの上昇がある。
それにより、大手デベロッパーやマンション販売業者などが供給を抑えているというのだ。
ただ、現状では人手や原材料の不足によって、「着工を見送ったり、工事を中断したりするのはごく一部」という。
むしろ、「間接的な影響として、販売価格の設定に時間がかかっていることが大きな原因です。建設コストが上がるなかで、
消費者が求めている価格帯を、物件ごとに探りながら決めているような状況です」と話す。
これまでは供給調整が効いて、ほとんどのマンションが建物の完成前に完売する状況だったが、建設費の上昇に伴い状況が一転し、成約にかかる期間が長引いている。
本音をいえば、建設コストの上昇分を価格に転嫁したいところだが、そうもいかない。
消費増税の影響で消費者の物件選びが慎重になっていることや、また実質的にマンションの購入者層の所得が上がっていないといった「外的」な要因もある。
売れ行きが停滞するのは当然ともいえる。
不動産経済研究所は、「なかでも郊外型のマンションは深刻です」と指摘する。郊外型は開発規模が大きくなるので、
投資コストも相応にかかるし、工事や販売期間が長期化する。デベロッパーなどは価格を抑えるため、
たとえば3LDKを2LDKに変更するなどの対応をとっているが、需給がマッチしているかは「手探り」だ。
郊外型はファミリー層向けなどのニーズはあるが、建設コストの上昇と資金回収に時間がかかること、
それに需要を考えると、「物件そのものが成立しない恐れもある」という。
最近は、大手デベロッパーは東京23区内と横浜市、川崎市に物件を集中している。