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ここ6年で100億ドル近くの赤字を出しているソニーは、同社にとって家電分野で最後のヒット商品で
ある「プレイステーション」(PS)を戦略の中心に据えることで苦境からの脱却を図りたい考えだ。
ソニーの3人の幹部によると、同社はこの古参のゲーム機を「ストリーミングサービスネットワークの
ハブ」として位置付けなおし、ゲームだけでなく、ソーシャルメディアや動画、音楽などのサービスを提
供する計画という。Reutersの取材に応じた3人の幹部は、まだ初期段階の計画であることを理由に
匿名を条件に語った。
PSユーザーからさらに多くの収益を引き出すための計画は目下、ソニーの平井一夫社長が起用し
た新世代の幹部社員らによって策定されている。アナリストによれば、ソニーがこの計画をきっちりと
遂行すれば、2016年4月からの事業年度(2017年3月期)にゲームとネットワーク事業で約10億ドルの
利益を挙げることができ、そうなれば、金融サービス部門を除いてソニーで最も収益性の高い事業に
なるという。
早稲田大学ビジネススクール(WBS)准教授の長内厚氏によると、「ソニーにとってネットワークサー
ビスは長年の課題」だという。この分野では、米Appleが「iTunes」で主導権を握っており、Netflixや
Spotifyといった動画・音楽サービスの大手も急成長を遂げている。
「かつてソニーはあらゆる分野に手を出そうとしていた時代もあったが、まずゲームユーザーに焦
点を絞るというのは有効なやり方だ」と、長内氏は指摘する。ソニーは7月31日に2014年度第1四半
期決算と合わせて経営計画の進捗状況を発表する見通し。
ソニーのネットワークサービス「Sony Entertainment Network」(SEN)の売上高は2014年3月期に
2000億円(19億6000万ドル)に拡大したが(そのうち約90%をゲーム関連の売り上げが占める)、同
社の主力エレクトロニクス事業の5兆円と比べるとまだ規模は小さい。またネットワーク事業は2013年
に100億円の赤字を出しており、2014年もユーザーの急増に備えてサーバとシステムに投資する必
要があることから赤字が続くとみられている。ただし、同社幹部もアナリストも、その後はけた台の利
益率に急成長すると見込んでいる。
新しい計画はソニーの当初の復活戦略とは全く異なる内容だ。かつて日本の技術力の象徴的存在
であったソニーは、過去の大ヒット商品である携帯音楽プレーヤー「ウォークマン」に匹敵する革新的
な新製品の投入を目指してきたが、その目標を達成できずにいる。
投資銀行のJefferiesによれば、テレビ事業などエレクトロニクス部門の主要な赤字事業をPSのネ
ットワークだけで補えるものではないことは、新戦略の策定を担当している幹部社員らも理解してい
るという。ソニーがネットワークコンテンツサービスの強化を図るのも、今回が初めてではない。
だが2014年4月にソニーの最高財務責任者(CFO)に就任した率直な物言いの吉田憲一郎氏(54)
の下、幹部社員らは「PSを中心に据えたネットワークを構築すること」がもしかすると「ソニーを復活
へと導く、収益性の高い足掛かりを確保する最大のチャンス」かもしれないと考えている。吉田氏は
以前はソニーのインターネットサービス部門を統括していた。
「上昇の可能性を最大限に提供してくれる極めて重要な資産だ」と、取材に応じた幹部の1人は語
っている。(続きはリンク先で)
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