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(>>2の続き)
さらに人口減少は、保険産業にも暗い影を落とす。前出の米山氏は、こう語る。
「人がいなくなる社会では、保険加入者は当然減る一方です。生命保険も、加入者が減れば業務を縮小せざるを得なくなるでしょう。
人口に占める高齢者の割合が増えれば死亡保険金や医療保険の支払いが急激に増える。一部の企業はそれを見越して株式会社化し、
市場から集めた資金で海外企業を買収していますが、他の保険会社は目立った手をまだ打っていない。このまま人口減少がすすめば、
いずれ生命保険会社も淘汰されるところが出てくるでしょう」
国によって強固に守られ、安泰と思われている大手金融機関すら存続が怪しいということだ。預けられたおカネを運用し、利ザヤを
稼いでいる銀行も、預金者がいなくなれば手数料も入らず、途端に経営の危機を迎えることになる。
結局、経済とは人口の規模によって大きく左右される。人がいなくなれば、どんな産業、業種も壊滅的打撃を受けるほかないのだ。
「たとえば音楽などのコンテンツビジネスも、売り上げの大半を占めるJポップは若者が対象なので、顧客が減少する一方で、衰退は
避けられません。演歌にしても、あまりに『日本的』であるがゆえに、海外展開はほぼ不可能ですし、ビジネスとして生き残ることは難しい
でしょう」(米山氏)
すでに視聴率低迷に苦しんでいるテレビ局も、危機的な状況を迎える。民放各社は人口減少により広告料収入が激減し、番組制作が
立ち行かなくなってしまう。行き着く先では、民放はおろかNHKすら消滅する日がやってくる。先月、NHKの'13年度受信料収入が42億円減
だったことが発表されたが、これから迎える人口減少社会の中、NHKも、それとは比較にならない深いダメージを受ける。広告費もない、
受信料もないでは、まともに番組も作れない。日本からテレビ局がなくなる日も近い。
人もモノも、すべてが目の前から消え去り、どこにも逃げ場がなくなる。これから日本が迎えるのは、未曽有の「不毛社会」なのだ。
(「週刊現代」2014年6月21日号より)
(終わり)