14/06/12 02:12:49.24
ソース(日経ビジネスオンライン、「記者の目」)
URLリンク(business.nikkeibp.co.jp)
6月上旬、筆者はシンガポールへ出張した。主な目的は日本株のセールスイベントの取材だが、その他にもシンガポール独特の
建築物の取材などを行った。シンガポールは狭い国なので、2時間あれば国内をぐるりと1周できてしまう。
そして、シンガポールに来たからにはぜひ会いたい人がいた。米国人の著名投資家、ジム・ロジャーズ氏だ。2007年からシンガポール
に移住している。筆者は約2年半前の2011年12月、シンガポール植物園の近くの閑静な住宅街にある彼の家を訪ねた。当時筆者は
妊娠7カ月だったが、彼は私を見て「仕事より、子供を産むのは大事なことだ。日本はこれから人口が減るからね」とうなずいてくれた
ものだ。
彼がシンガポールに移住した理由は現在11歳と6歳の2人の娘たちのため。彼は、将来的に世界は「アジアの時代」になると考えている。
従って娘たちには中国語ができなければならないとしている。
中国語ができる筆者はその際、長女のハッピーちゃんと中国語で会話したが、それは見事な発音だった。その後2012年に生まれた
私の娘はちょうど先月、2歳になったばかりだ。幼い頃から教育方針がこんなにしっかりしているとは・・・・・・と思うと少し焦る。
そんなことを考えながら彼の家に向かった。シンガポールに行く直前、「今週そちらへ行きますが会えませんか」とメールすると、
「ニューヨークからちょうど帰ってくる日だけど大丈夫だよ」との返事が返ってきた。ありがたい。
家に着くと、やけに静かだ。2人の娘、ハッピーちゃんとビーちゃん、そして奥さんのペイジさんは夏季休暇を利用して米国の祖父母の
家にいるという。「今、この家にいるのは私とお手伝いさん、そして犬のベラだけだ」と、ロジャーズ氏はユーモラスたっぷりに出迎えて
くれた。とてもニューヨークから帰ってきたとは思えないほど元気だ。御歳71歳には見えない。
彼の取材は大抵、本人の希望でエアロバイクをこぎながら行われる。パソコンをエアロバイクの上に置いて、リサーチを兼ねながら
話すのが彼のスタイルだ。この日はスコールが降っていたが、プールサイドに面したジムで、雨の音を聞きながら淡々と取材は進んだ。
会うといつも、世界経済の見通しと、現在の投資スタンスについて聞く。
■金融緩和の帰結はハイパー・インフレ
―足元の日本株の動きをどうご覧になっていますか。
ロジャーズ:しばらくの間は良いだろう。私は日本株をいつ買い増そうか、チャンスを狙っているくらいだから。私が日本株を買ったのは
2011年3月の震災直後。そして今年1月だ。日本は1月から、個人に対して税の優遇が始まっただろう?
―少額投資非課税制度(NISA)のことですね。
ロジャーズ:名前はよく分からないけれど。これを聞いた時、日本も近い将来、個人が株を買うようになると思った。そうなった時、
まず買われるのはみんなが知っている会社。つまりブルーチップなどの優良株だ。なので、その中で割安なものを探した。
個別銘柄については詳しく話さないが、1つだけ教えるなら、NTTを買ったよ。あとは日本株のインデックスを買った。大型株
インデックスと、小型株インデックスのETF(上場投資信託)を買った。
(>>2以降に続く)