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冷蔵庫や洗濯機で世界一のシェアを握る中国家電メーカー、ハイアール。中国の
経済成長とともに売り上げを拡大してきた。そして今、中国を飛び出し、海外展開を
加速するためのモデル作りが始まった。その最大の舞台が日本だ。
三洋電機を前身とするハイアールアジアインターナショナル(HAI)は、ハイアール
グループにおける海外進出の先兵としての役割を担う。率いるのは今年2月に社長と
なった伊藤嘉明氏。中国レノボグループやコカ・コーラ、ソニー・ピクチャーズ
エンタテインメントなどグローバル企業を渡り歩いてきた伊藤氏に、今後の日本や
海外戦略を聞いた。
--伊藤社長は中国のハイアール本社が採用したと聞く。ミッションは何か。
私に与えられたミッションはハイアールアジアインターナショナル(HAI)を、
ハイアールがグローバル市場へ展開するためのひな形にすることだ。
ハイアール流を日本にそのまま移植して欲しいとは言われていない。中国本社で実践する、
社員間で給料が10倍変わるような仕組みは日本にそぐわない。
私自身グローバル企業で働いてきて、良い面と悪い面を理解してきたつもりだ。ハイアール
とグローバル企業の良い点を日本に取り入れて、新たなモデルを作っていきたい。
HAIがグローバル展開のひな形になるためには、三洋式からの脱却が欠かせない。もちろん
三洋が持つ日本流の品質管理は素晴らしいので維持しなければならない。ものづくりに
対するこだわりを捨てるつもりはないが、給与体系や人事など多くの制度は見直す必要がある。
--具体的にどう変えるのか。
まず役職が多すぎる。今、10以上あると聞いている。担当部長や担当課長といった役職を
なくし、半分程度に減らす。年功序列の考え方に基づいて用意された役職だと思うが、
外資系で働いてきた私には理解できない。責任と権限を明確にできないと、意思決定の
スピードが遅くなるからだ。
次に、能力がある社員を抜擢しやすいようにする。30歳で部長になったっていい。受験資格
を得るまでに数年かかる昇格試験の概念が理解できない。私は能力さえあれば年齢なんて
関係ないと思う。逆に、定年を過ぎても能力があれば働ける環境も作っていく。
国籍も関係ない。先日タイなど3カ国の拠点を回って現地社員と話した。現地採用者の中に、
潜在能力が高い人材がいることが分かった。三洋電機時代の先輩たちに、立派な人材を育てて
頂いたと感謝している。幹部に昇進できる現地社員もいる。どんどん抜擢していきたい。
抜擢された人はやる気に満ちて、必死に働くので結果を出しやすい。私自身もこれまでの
キャリアで、幸運にも抜擢してもらえる機会に恵まれた。準備に何年もかけて登用したの
では遅い。
抜擢する代わりに、私も含めて役割を果たせなければ即刻退場すべきだと思う。責任を明確
にする一方、報酬も業績と連動させてやる気を引き出すように変えていく。
だからこそ、20人以上の部下を抱える部長と、数人の部下しかいない担当部長が数十万円
しか給料に差がない現状はおかしいと思っている。(※続く)
◎URLリンク(business.nikkeibp.co.jp)
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