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関東甲信などで記録的な豪雪となった中、ホンダが昨年11月に発売した
個人向け大型除雪機「HSL2511」が大活躍した。小型、中型を含めて
在庫切れとなったほどで、販売店は対応に追われたという。少子高齢化が
急速に進む過疎地では高齢者だけで除雪を行わざるを得ない世帯が増加したうえ、
「二酸化炭素を排出しない」「作業効率を上げる」という点に特にこだわり、
ニーズをつかんだことが拡販につながった。
「バイクで当たり前となっている環境配慮型のFI(フューエルインジェクション)
エンジンを世界で初めて除雪機に採用した」
ホンダの研究開発を担う本田技術研究所汎用R&Dセンターの酒井征朱主任研究員は
こう胸を張る。
FIは、ガソリンをエンジン内に噴射する際、エンジンの燃焼状態からコンピューターが
最適なガソリン噴射量などを計算し、効率的な噴射が可能になる仕組み。四輪車のみならず、
二輪車でも採用が急速に進んでおり、従来の機械式の噴射装置「キャブレター」と比べ
燃費を15%程度改善できるのが特徴だ。
ホンダは、このFIを除雪機に世界で初めて採用した。ただ、採用に至るまでの道のりは
決して平坦(へいたん)ではなかった。常に過酷な環境条件で使用される除雪機への搭載は、
エンジンの能力を最大限発揮できる一方、コストがかさむうえ、システムの構築には複雑
を極めるためだ。
ホンダは、業界首位の除雪機開発経験を生かして、過酷な環境下での多様な作業を
地道に再現。どれだけの量のガソリンを噴射させれば最も効率的になるかを妥協する
ことなく数値化し克服した。
酒井主任研究員はFI採用について、「これまでは寒い中、エンジンが暖まるのを待って
もらっていた。しかし除雪機は、エンジン始動後すぐに全開作業をしたいという顧客の
要望があった」と話す。
加えて「使用頻度が限られるため、金額にシビア」(宇山由香・同センターチーフ)。
このためバイク『カブ』、四輪車のスポーツ用多目的車(SUV)『CR-V』の部品
を採用。除雪機専用の部品を極力抑えることができたため「価格を5万円アップにとどめ、
150万1500円からにした」(小東賢太・同センター研究員)。
また、オーガアシストと呼ばれる機能を追加したモデルは、鋭い歯を回して雪を砕く
ロータリー部分の角度を除雪面に合わせて自動調整する。除雪機が傾いた場合、
下がった側と反対部分の盛り上がる雪を優先的に除雪することで作業効率を高める
仕組みで、「これまで複数回かかっていた除雪作業が1回で済むようになった」(小東
研究員)という。スマートフォンなどにも使われる方位磁針を本体中心部に配置した
ことで実現したという。(※続く)
●ホンダの大型除雪機「HSL2511」。燃費が15%向上するなど、
環境性能にすぐれたモデルとなった
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
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