14/03/07 07:10:39.10
ソースは
URLリンク(www.bloomberg.co.jp)
[1/2]
3月7日(ブルームバーグ):ものづくりの中小企業が集積する東京都大田区で、
グッチやシャネルなど高級ブランド店のディスプレーなどを手掛ける西尾硝子鏡工業。
西尾智之代表取締役は、区の産業振興会が昨年9月に主催した就職説明会で異変に気付いた。
例年100人近くがブースの前に列を作り説明でも声をからしていたのに、昨年は10人余りし
か集まらなかったのだ。
西尾氏は「中小企業は人を採用するのがかなり難しくなっている」と言い、
「ハローワークに定期的に求人を出しているが、以前の給与水準を提示しても誰も電話を
かけて来ない」と話す。昨年、30代前半の男性を中途採用した際には、数年前より
1割程度高い給与を提示した。
政府がデフレ脱却を目指して企業に賃上げを求める中、野村証券など一部大手企業は
ベースアップに動き始めた。労働市場でも建設業を筆頭に人手不足が深刻化しており、
一部エコノミストは40年ぶりの労働需給の逼迫(ひっぱく)化を予想。昨年12月に
ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査では、2014年度の現金給与総額の上昇率予想は
0.6%にとどまるが、中小企業を中心とした人手不足が賃上げ拡大の起点になる可能性もある。
JPモルガン証券の菅野雅明チーフエコノミストは、「2、3年後には、労働市場の逼迫化を
受けた賃金引き上げの動きがより顕在化するだろう。中小企業で始まり大企業にも波及する」
と予想。賃金上昇は持続的な物価上昇を促し、「2017年にはいかにしてインフレを
抑えるかに議論の焦点が変わってくる可能性もある。火は一度点火されると広がるのが早い」
という。
厚生労働省の一般職業紹介状況によると、有効求人倍率は昨年12月に1.03倍となり
6年ぶりに求人数が求職者数を上回った。1月も1.04倍と07年8月(1.05倍)の水準に
迫っている。菅野氏は、毎年およそ0.15のペースで上昇し、17年には1.5倍を超え、
高度経済成長期が終わった翌年に当たる1974年以来の水準まで高まると予想する。
■ダンプの手配、2倍の6万円
総務省統計局によると、日本の労働人口は98年のピーク6800万人から直近ではおよそ
6600万人まで減少。中でも24歳以下の若年労働人口は、同じ期間に4割近く急減した。
労働供給が減少する中、アベノミクスを追い風とした景気回復が需給の逼迫化に拍車を
掛けており、その間に1割近く下がった所定内賃金の反転を促しつつある。
日銀短観の雇用人員判断によると、企業の人手不足の程度を示すDI(判断指数)は、
全産業では昨年の6月調査のマイナス1から12月調査ではマイナス10まで悪化。
中でも、非製造業の中小企業のDIはマイナス19と、92年以来の水準まで落ちている。
厚生労働省の労働経済動向調査によると、建設業や医療・福祉、運輸業で労働不足が特に
深刻な状況だ。
阿比野建設(兵庫県姫路市)の阿比野剛社長によると、震災復興が進む東北地方などに
関西の建設労働者も流れ、「人手不足は深刻で、十分な職人を確保できないプロジェクトも
少なくない」という。ダンプトラック1台を手配するのに必要な料金が10年前の
2倍に相当する6万円程度まで上昇しており、それでも運転手やトラックの数が需要に
追い付いていないという。
-続きます-