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■サッカーW杯、五輪需要で帰国
アベノミクス効果などで国内の外国人労働者が増えるなか、長らく製造業の
現場を担ってきたブラジル人労働者が国内から急速に姿を消している。
群馬県で前年より1割以上も減少しているほか、浜松市でもピーク時の半数以下に
なった。サッカーW杯やリオデジャネイロ五輪に向けて、母国での労働需要が
高まっており、出稼ぎ労働者の帰国が相次いでいるようだ。
富士重工業の企業城下町の群馬県。同県大泉町とその周辺には富士重に部品を
納入する関連会社などがひしめく。町内にはブラジル人労働者が多く、ブラジル
タウンがあるほどだ。
だが、群馬労働局が1月31日に発表した昨年10月の外国人労働者数は前年
同期比で2.5%減の1万7709人になった。国全体では5.1%増えている
なか、群馬では集計を始めた平成20年以降で初めて減少に転じた。全体の
3割超を占めるブラジル人が10.5%減ったことが主要因だ。
富士重では「アベノミクス効果もあって、県内では労働者の奪い合いになっている」
としながらも、大きな影響はないと説明する。ただ、取引先企業からは「人手が
限られるなかで、ブラジル人労働者が減っているのは痛い」との声もある。
浜松市も同様だ。公益財団法人「浜松国際交流協会」によると、浜松市のブラジル人
登録者数は、平成19年度末には1万9461人だったが、24年度末には1万人を
割り込み、今年初めの時点で9149人と半数以下に減少。埼玉県でも18年末に
1万4000人超だったブラジル人が24年末には8000人余りにまで減った。
厚生労働省の調査でも、ベトナム人が前年同期比で39.9%、フィリピン人が
10.0%増えるなかで、ブラジル人は6.3%の減少となっている。
その理由を群馬労働局では「6~7月のサッカーW杯や2016年のリオデジャネイロ
五輪に向けて母国で仕事が増えていることなどが影響した」と推測している。大泉町の
ブラジルタウンで飲食店を営む男性も「客から『こっちは景気が良くないので母国に
帰る』という話を聞く」と語る。
また在住外国人の支援事業などを行う一般社団法人、グローバル人財サポート浜松
(浜松市)の堀永乃(ひさの)代表理事も「20代後半から30代でポルトガル語を
話せる働き盛りのブラジル人がこぞって帰国している」と話している。
◎URLリンク(sankei.jp.msn.com)
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