14/01/31 20:25:48.94 hspMulXG
厚生労働省の審議会が労働者派遣制度の見直し案を決めた。
派遣で働く機会を狭めかねない内容になっているのは問題だろう。
国会審議など法改正の作業のなかで、再度の見直しが求められる。
審議会がまとめた案では、派遣労働者が同じ職場で働ける期間をどの仕事も原則3年までとした。
通訳、秘書など、期間を切らずに派遣で働ける「専門26業務」という区分は廃止する。
26業務に就いていた人は、派遣会社と無期雇用契約を結べば、派遣先で期間を定めず働けることとする。
しかし有期の契約だと、その職場での就労は3年で打ち切られる。
派遣会社に無期契約を結ぶ余裕がどれだけあるかは分からない。
期限を切らず派遣で働きたいのに、それがかなわない人たちが出そうだ。雇用への影響が心配だ。
企業は派遣労働者を3年ごとに交代していけば、労働組合などの意見を聴いたうえで
同じ仕事を派遣労働者に任せ続けられるようになる。だが、派遣で働く人にとっては
慣れた職場を3年で去らなければならなくなる。
こうした規制の背景には、派遣労働を「臨時的・一時的な働き方」と位置付けていることがある。
働き方の多様化に逆行している。派遣という働き方に否定的な姿勢を転換すべきだ。
もちろん、仕方なく派遣で働いている人が正社員など安定的な雇用に移れるようにすることは重要だ。
賃金など処遇の改善も課題になっている。そのためには派遣で働く人が、自らの職業能力を高めやすくする必要がある。
審議会の案が派遣会社に対し、派遣労働者への計画的な教育訓練や
能力開発の相談に乗るなどのキャリア形成支援を求めたことは妥当だろう。
公共職業訓練の内容の見直しなどを含め、職業能力の向上を社会全体で後押ししたい。
そのうえで派遣労働を働き方の選択肢の一つとしてとらえ、就労する機会を広げることが求められる。
人口減少のなか、労働力を確保するためにも欠かせない。