14/01/28 11:26:22.00
ブラジルやトルコといった新興国の通貨が急落しており、その影響を受けて各国の株価が
急落する状況となっています。今世界経済では何が起こっているのでしょうか?
今回の新興国における通貨下落は、米国による量的緩和策縮小がきっかけになったと
いわれています。
米国の中央銀行であるFRB(連邦準備制度理事会)は2013年12月18日、2014年1月から
量的緩和の縮小を開始することを決定しました。
FRBはリーマンショックによる金融危機から脱却するため、市場に大量の資金を供給する、
いわゆる量的緩和策を実施してきました。しかし米国の景気が順調に回復してきたことから、
市場に供給する資金の量を徐々に減らす方向に政策転換を行いました。これが量的緩和策の
縮小と呼ばれるものです。
■新興国のドル資金が米国に戻る
これまでFRBは市場に大量に資金を供給してきましたから、余ったお金は新興国に向かい、
これらの国々の通貨は上昇を続けていたわけです。しかし米国が量的緩和の縮小を
開始すると、これらのドル資金は米国に戻ってしまい、新興国の通貨が売られるという
状況になってしまいました。
米国が量的緩和を縮小するということは、米国の景気が順調だという意味であり、
緩和縮小が始まった場合には、米国で投資をした方が有利となります。
このため、世界に流出していたドル資金が引き上げられてしまうことが予想されていたの
ですが、実際に緩和縮小が始まると、やはり新興国から資金が流出し、その過程で各国の
通貨が売られるという現象が起こったわけです。
今回の通貨安は、景気の主役が新興国から米国に移ったことが根本的要因であり、米国の
好景気はいずれ新興国にも恩恵をもたらします。通貨安で新興国に競争力が付き輸出が
回復してくれば、為替相場もいずれ安定してくると考えられます。今回の通貨安を過剰に
心配する必要はないでしょう。しかしながら、どの国の通貨も大丈夫かというと
そうではないところが少々難しいところです。
■アルゼンチンの通貨はなぜ信用されないか
年明け以降、トルコリラは米ドルに対して約8%、ブラジルレアルは1.3%下落していますが、
アルゼンチンペソは20%以上も下落しました。
アルゼンチンは過去何度もデフォルト(債務不履行)を起こしており、経済への信用が
高くありません。以前、同国が破綻した時には、固定の為替レートが原因とされ、現在では
変動相場制が採用されています。しかし実際には、通貨当局による度重なる介入で為替が
人為的に操作されており、完全な変動相場制とはいえない部分があります。
またインフレ率など政府が発表する統計には疑問の声も上がっています。
このように経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)が脆弱で市場機能が十分ではない国の
通貨については、他の新興国通貨が安定した後も、しばらくは混乱が続く可能性があります。
(大和田 崇/The Capital Tribune Japan編集長)
ソースは
URLリンク(thepage.jp)
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