13/12/17 02:21:20.97
ソース(ダイヤモンド・オンライン) URLリンク(diamond.jp)
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福島第一原子力発電所の事故からまもなく3年。復興から取り残された形の福島では、「もう戻るのはあきらめた」との声が多く
聞かれる。だが、事故を起こした当の東京電力は、さまざまな思惑のなかで“救済”されようとしているばかりか、“復活”まで虎視眈々
と狙っている。「復興の加速」という美辞麗句の影で―。
2013年9月6日、ロシア・サンクトペテルブルクを出発し、アルゼンチン・ブエノスアイレスへ向かう政府専用機、ボーイング747の
機体前方の秘書官席では言い知れぬ緊張が漂っていた。
わずか30時間後に、20年五輪招致の総会を控え、安倍晋三首相以下、官邸スタッフの元には現地から「福島第1原子力発電所の
汚染水問題がネックとなり、苦戦」との情報が伝えられていた。また日本では、東京電力の下河邉和彦会長が「五輪で負ければ辞める」
と周囲に漏らしていた。
「汚染水には触れざるを得ない」
官邸スタッフは、総会で首相が行うスピーチ原稿を書き直し、首相も機内で演説の練習を続けた。ギリギリの路線変更だった。
こうして、東京五輪招致の決め手になった「汚染水アンダー・コントロール」の演説は生まれた。
汚染水対策がおぼつかないこともあって、後の国会審議で、この「アンダー・コントロール」が厳しい追及を受けることになるのだが、
一躍“国際公約”となったことで、福島第1原発事故の果てしなく厳しい現実が耳目を集めることになり、国も本格的に対応せざるを
得なくなった。
「福島の問題は国が責任を持たないと、前進しない」。首相のスピーチからさかのぼること2週間前。自民党内でも福島をめぐる議論が
スタートしていた。
東京・永田町の自民党本部5階にある東日本大震災復興加速化本部に、大島理森本部長が復興庁幹部と共に、経済産業省や財務省、
そして環境省の局長クラスを次々と呼び、「勉強会」を開いた。
「震災3年を迎える前に福島に向き合わないといけない」として、難題山積みの福島に関する復興提言をまとめるべく、関係省庁の調整
に乗り出したのだ。
■除染費用の国負担で 経産 VS 財務がバトル
この動きは東電と、所管官庁である経産省にとって、渡りに船だった。東電は総額10兆円規模の賠償や廃炉、除染費用が重く
のしかかり、当初の再建計画が破綻しかけていた。昨年11月には社外取締役総出で国に支援を求めたが、政権交代前夜だったことも
あり、たなざらしになっていたのだ。
自民党の動きを察知した経産省は素早く動く。上田隆之・資源エネルギー庁長官が早速、原発の現状を説明に訪れたと思えば、
経産省から東電に送り込まれた嶋田隆執行役も、「除染費用は5兆円以上」と書かれた分厚い資料を持って関係各所に支援要請に
回った。
勉強会では「廃炉と賠償は東電の責任でやるが、除染費用は復興の一部だ」として除染の全額国費負担を訴えた。同本部で委員長
を務める額賀福志郎元財務相も経産省・東電に同調した。
(>>2以降に続く)