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制御ケーブルの安全証明書で偽造が発覚し、複数の原子力発電所が稼働停止となった
韓国の「原発スキャンダル」。100人が起訴されるなど原発業界をめぐる疑惑は
雪だるま式に膨れ上がり、韓国政府に対しても原発依存を見直す圧力がかかっている。
韓国は、総発電量の約3分の1を原発に依存している。そのため脱原発は、液化天然ガス
(LNG)や石油・石炭の輸入拡大を通じ、年間数百億ドルのエネルギーコスト増に
つながる可能性がある。また、安全面への懸念緩和にはつながる一方、電気料金値上げ
という難しい政治的議論も避けては通れない。
韓国電力公社(KEPCO)のHwangWoo-hyun副社長は「総発電量に占める原発の
比率が下がれば、他の火力発電の比率が上がる。仮にLNGを使うとすると、コストは
間違いなく増加するだろう」と述べた。
KEPCOは傘下に原発運営会社の韓国水力原子力(KHNP)を持ち、世界最大の
LNG輸入会社である韓国ガス公社(KOGAS)の株式25%を保有する。
韓国政府の推計を基にロイターが行った試算では、原発を稼働させる代わりにLNGの
輸入を増やせば、その追加コストは2035年までに年間200億ドルに近づく可能性
がある。
韓国の原発23基中、3基が制御ケーブルの性能成績証明書の偽造で停止となり、
10月30日には別の1基が蒸気発生器の溶接部分を検査するため停止となる。
このほか2基が定期点検で止まっており、建設中の6基のうち3基は安全問題から
完成が遅れている。
安全証明書の偽造発覚後、韓国当局はこれまでにKHNPの元社長を含む100人を
起訴した。28日行われた議会公聴会では、一連のスキャンダルでKHNPには、
ケーブル交換費用などで3兆ウォン(約2730億円)のコストがかかるとの試算が
議員から示され、出席した同社のCho Seok最高経営責任者(CEO)もこの数字を
認めた。
一方、官民合同ワーキンググループは今月13日、福島第1原発の事故により原発の
安全性に対する国民の懸念が強まったと指摘し、原発依存度に関する報告書をまとめた。
同報告書では、総発電量に占める原発の比率を2035年までに22─29%にすべき
だと提言。これは、向こう20年以内に41%にまで拡大させるという現行方針から
大きな方向転換となる。
朴槿恵政権は同提言を基に、公聴会も実施した上で12月までにエネルギー基本計画を
策定する予定。
今年1─9月の韓国のLNG輸入量は2950万トンと、前年同期比で12%増加した。
昨年1年間の総輸入量は3630万トンだった。KOGASの株価は今月16日、原発
依存軽減が実現すればガス需要が高まるとの思惑を背景に、約5カ月ぶりの高値に上昇した。
韓国メディアによると、原発の不足分を化石燃料の輸入で補うと、2030年までに
同国の電気料金は最大5倍値上がりする可能性があるという。
◎URLリンク(jp.reuters.com)
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