13/09/25 07:11:12.32
某月刊誌で鼎談をさせていただく機会があり、衰退する地方、衰退する首都圏というテーマで
お話をしたんですが、その中で一際話題になったのが昨今のJR北海道の惨状でありました。
それも、本来であれば不祥事を起こすとはけしからん、という話であるべき内容なのが、
どういうわけか「あー、やっぱり北海道ですか」「しょうがないですね」というような
まったりとした雰囲気で捉えられてます。そればかりか、当事者であるはずの北海道民も
怒るというよりは何か別の感情を抱いているように思えるわけですね。
いろいろと記事やウェブを巡っていると、JR北海道というのはそもそも無理難題の象徴であり、
乗降客が一日100人未満の駅もそこらじゅうにあるという修羅のような赤字の世界であることを
知り、戦慄するのであります。これでどうやって企業体を維持し、雇用を保って運行安全を保障
するのかと思ってしまうのは私だけではないでしょう。
「じゃあ車でいいじゃん」とはならないのがまた地方の泣けるところではあるのですが、
夕張市の例を問わず、相応に地方の住民が最善の努力を払っていたとしても衰退してしまう
ことはあるのだ、と考えざるを得ません。
そんで、JRといえば今度は合理化をしようにも組合の問題に立ち入ることになるわけで、
かといって組合が絶対悪なのかというとこれまた議論になり、要はイカダに10人しか乗れない
ところに20人殺到というサンデル教授状態の政治的(経営的)決断を求められる状況になって
いるようです。
一方、それならば東京その他都市圏はいいのかという議論になるんですけれども、これはこれで
向こう15年でジェットコースターのような社会保障費の増大→人口減でベッド余り医者余りと
いう地獄を経験することになります。
総務省も、別に座して看過しているわけでもなく、相応に考えて対策を打とうとしているん
でしょうけれども、このたび出ていた定住自立圏構想を見る限り「これで解決を目指す」と
いうよりは現状の追認をしていくためのアプローチに見えます。これはこれで必要なことなん
ですよね。ただ、誰も幸せにならないぞということが文字になって出てきたというだけで。
【定住自立圏構想】URLリンク(www.soumu.go.jp)
そして、国土強靭化の議論や、社会保障制度改革国民会議でもありましたが、ないものは
振り分けようがないという結論になり、また地方経済再生のために予算をつけても肝心の
地方経済にその受け皿となる投資先企業やインフラ系事業者が細っていてこなしきれない
という惨状があります。(※続く)
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