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日本人は他の先進国の住人よりも、長時間労働に悩んでいる人が多い。その原因は日本の
労働生産性の圧倒的な低さにある。2011年のOECDの労働生産性の調査によると、
アメリカ人が一時間に約60ドル稼ぐにのに対して、日本人は約40ドルしか稼いでいない。
一時間に40ドルしか稼げない日本人が、アメリカ人とほぼ同じだけの年収を確保するため
には1、5倍の時間の労働が必要になってしまう。
また、長時間労働で悪名高い日本の飲食業界の生産性の低さは突出しており、公益財団法人
の2010年の調査によると、日本の飲食宿泊業界の労働生産性は米国の37.4%と
なっている。これだけ労働生産性が低いのだから、長時間労働があたりまえとなっている
日本の他の業界に比べても、この業界の労働時間が特に長いのには納得だ。
なぜ、こんなにも飲食業界の労働生産性が低いのかといえば、もちろん規制や雇用慣行など
にも原因もある。しかし、サービス業は製造業とは違って日本の中だけで商売していれば
良いので、それほど深刻な競争にさらされる事はない。だから、働き者の日本人労働者を
捕まえて365日24時間死ぬまで働けというスローガンを用意するなどして、従業員の
根性をメインに長時間労働でカバーしていれば企業は利益が出せるのだ。
この様な事を書いていると、飲食宿泊業などと一生関わりたくないと思う人も多いかも
しれない。しかし、起業家にとっては逆にチャンスでもあるのだ。なぜなら、これだけ
低い労働生産性なのだから、アメリカ並みとは行かないまでも生産性を少し上げれば、
理論上、一気に高収益な企業を生み出すのも可能という事になる。そして、日本の飲食企業
は長時間労働の象徴の様になっているが、実際に生産性を上げる事で勝負をして業績が
好調な企業も存在している。
そういった企業の中で最も有名なのが、サイゼリヤかもしれない。サイゼリヤは店員の
作業効率を理系出身が多い社員が科学的に分析し、いかに同じ事を短い時間で作業できるか
という事や、複数でやっている作業の人を減らせるかという事を研究している。そういった
改善策の中で特に有名なのが、掃除機を使っていた掃除をやめたという事だろう。サイゼリヤ
社員が、どうしたら店からゴミを一番早く無くす事が出来るのかという研究を行った結果、
通路の幅に合ったモップを使用する事が良い事が分かった。なので、サイゼリヤは専用の
モップを導入し、掃除にかかる時間を半分にする事に成功した。
ソース
URLリンク(blogos.com)
(つづく)