13/09/07 20:05:10.66
ブラック企業だとあたりをつけていた会社に潜り込むのに成功したのは、5月の連休明けだった。
「20年もフリーライターを続けてきて、いまさら就職活動か?」と周囲からは失笑された。
就職活動を進めていたのは、ちゃんとした理由がある。つい先日上梓した「うちの職場は
隠れブラックかも(三五館)」の覆面取材のためだ。もっとも、違う意味で、就職活動は
難航した。
なにしろ、ブラック企業を内側から取材するためにサラリーマンになるのだから、まっとうな
会社に入社しても意味がない。応募の時点で、ブラック企業かどうかを見極めなければ
ならない。幸いなことに、それまでの取材の甲斐あって、ブラック企業を見分けるノウハウ
は、ある程度蓄積していた。
いわゆるブラック企業といわれる会社は、ネット上になんらかの「印」を残していることが
多い。ホームページをあるポイントに基づいて調べたり、代表者や社名といったキーワード
で検索を重ねると、かなりの確率で、ブラック企業かどうかを冷静に判断することができる。
ネット上の情報だけで判断がつかない場合は、面接に進んだ際に、面接官を冷静に観察すると、
ほぼ90パーセント程度の確率でブラック企業かどうかを判断できる。
民間の転職サイトで、ブラック企業だと思われる複数の企業に応募してみたが、そのうち
一社の面接に進むことができた。私は内心、「しめた」と、膝を打っていた。
■面接から胡散臭さ満点
社長面接を実施するという連絡を受けて、ふだん着ることがない紺のスーツを着て、指定
された時間に、先方のオフィスに出かけた。
応募したのはECサイトを運営している会社だ。オフィス自体は小ぎれいで、一見したところ、
怪しい企業には見えない。
だが、面接での社長の口ぶりと態度で、「この企業はブラック企業に違いない」と確信した。
ブラック企業と言われる会社の社長や、経営に加わっている人物は、例外なく「ある特徴」
がみられる。(詳しくは、私の近著「うちの職場は隠れブラックかも(三五館)」で
解説しているので読んでいただきたい。)
結局、その場で内定をもらったのだが、続いて行われた労働条件の説明を聞いて、想像通り
のブラックぶりに唖然とした。
正社員採用するが、3ヶ月間の試用期間は社会保険に入れないと、はっきりと明言したので
ある。フルタイムの勤務なら、採用直後に社会保険に加入させなければ違法になるはずだ。
(もっとも、最近は、無知を装って、採用する社員にそういった条件をつきつける企業も多い。)
他にもツッコミどころ満載な発言が飛び出したが、何も言わず入社を承諾した。ちなみに、
雇用契約書を書面で交わされることはなかった。会社側に不利な証拠を残さないためだろう。
案の定、会社のブラックぶりが全開になったのは、入社してすぐだった。
ソース:ガジェット通信
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(つづく)