13/08/11 17:52:23.19
<前略>
前回も紹介した右の「業種別の平均給与」をよく見ると、小売業の他にもう1つ目立つ
業界があります。
「サービス業」です。この業界も給料が安くなりがちです。
「日本人は、モノに対してはお金を払うが、サービスに対してはあまり払わない」と
言われます。僕はこれも『資本論』の価値基準が日本人に刷り込まれていることの現れだと
思うのです。
モノには明らかに原材料費がかかっています。そして明らかに加工が必要なので、そこに
「労力」がかかっていることがわかります。つまり、マルクスがいう「価値」が明らかなのです。
一方、サービスは違います。レストランでウェイターやウェイトレスが料理を運んできて
くれても、それに対して「価値」があるとは(大きな労力がかかっているとは)あまり
感じません。スタッフがいなければ料理が運ばれてこないので、彼らの労働に対して「
使用価値」は明確に感じています。でも「価値」を感じていないのです。すごく乱暴な
言い方をすると、「かけた労力は、料理を運んできた数十秒だけでしょ?」と思ってしまうのです。
海外ではレストランのウェイターやウェイトレスにチップを支払うこともありますが、
日本では支払いませんね。また食事に対する対価も、原材料を基準にしていませんか?
A5ランクの牛肉だから、有機野菜だったら高くてもいいけど、そうじゃなければ安くする
べき、と。そこには料理人やサービスする人たちの腕や雰囲気は考慮されていません。
「おいしい店なら何度も通う。シェフの腕を考慮している」
「店員さんの応対が大好きで、常連になった。これは、お店の雰囲気を評価している証拠だ」
そういう反論もあるでしょう。しかしそれは、料理やレストランの「価値(労力)」では
なく「使用価値(おいしさ、居心地のよさ)」を評価しています。「価値」ではありません
。だから高いお金を払わないのです。
化粧品に何万円もかける人でも、美容院ではお金を使わないことがあります。
日本人はアドバイスにお金を払わないとも言われます。せっかくアドバイスしてくれる人
がいても、「アドバイス料」を払いたくないために、我流で試みて失敗する人が大勢います。
日本人は、形が見えないサービスに対して、「価値」を感じにくいため、高いお金を払い
ません。その結果、サービス産業の給料が安くなっているのです。
<後略。省略部分はソース参照。>
ソース:誠 Biz.ID
URLリンク(bizmakoto.jp)