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来春卒業の大学3年生の就職活動が本格化する季節。企業の採用面接では、
さまざまな質問が学生に投げかけられるが、どう答えてよいか困ってしまうものもある。
女子大生にぶつけられる「結婚しても仕事を続けますか?」という質問もその一つだ。
●「女性の応募者にだけ『結婚』について聞くのは疑問」
都内の有名女子大を今春卒業するA子さんは、1年前に就活していたときの「ある面接」が
いまも脳裏に焼き付いている。総合職を志望して大手損保会社に応募し、エントリーシートと
適性検査、3回の面接試験を突破して、最終面接まで進んだ。本社ビル上階の会議室に入ると、
貫録のある50代以上と思われる男性の面接官が1人で椅子に座っていた。
いくつかの質問のあと、面接官は「結婚願望はありますか?」とたずねてきた。
「あります」。A子さんが答えると、面接官の声は重くなり、
「35歳になったとき、ご主人とお子さんがいても、仕事を続けますか?」とたたみかけた。「
子どもがいても仕事を続けます」と返すと、「福岡に転勤になった場合、ご主人やお子さんと
離れ離れの生活になるかもしれません。お子さんを連れて福岡に行きますか?」と
しつこく聞いてきたのだという。
結局、A子さんはこの損保会社から内定をもらえなかった。
「結婚に関するやりとりで合否を決めたのかはわかりませんが、企業側からすると、
女性の総合職が『結婚』を機に辞めてもらいたくないのが本音だと思います」と話すA子さん。
「でも、『結婚』についての質問は男性にはしないですよね。面接で女性の応募者にだけ
『結婚』について聞くのは疑問です」
●「結婚」の質問をする企業は、女性にとって「働きにくい職場」?
似たようなケースは、ほかにもある。
都内大学の法学部に在籍するB子さんは、英会話業界の中堅企業の採用試験を受けた。
やはり総合職志望だったが、2次面接で女性の面接官から「結婚して子どもがいても、
仕事を続けますか?」と聞かれたのだという。
結婚したときのことを聞く企業について、B子さんは
「ワークライフバランスに取り組んでいないなど、結婚や出産後に働きにくい企業ではないかと
思います」と推測する。
B子さんによると、「大手企業に比べると、中小企業は、女性が働きやすい職場かどうか
という点で不安がある」という。このような現状も、学生の大手志向に拍車をかける要因に
なっているようだ。
結婚に関する質問を受けた女子学生の中には、その企業に対してネガティブな印象をもつ場合も
あるというわけだが、あるベンチャー企業の社長は「僕も面接では結婚の質問をするが、
それはどのような人生設計をしているのか知りたいから。優秀な人だったら、できるだけ長く
一緒に働きたいからね」と話している。採用する側にもそれなりの理屈がある、ということ
なのだろう。
「結婚について聞かれたくない」という女子学生の戸惑いと、「結婚についての考えも
知っておきたい」という企業の意向。読者のみなさんはどちらに共感するだろうか。
(弁護士ドットコム トピックス編集部)
ソースは
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