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日銀が新体制で金融緩和を強化するとの思惑から、東京債券市場では国債を買う動きが
強まり、長期金利が低下している。1日の市場では、長期金利の指標となる新発10年物
国債利回りが一時0・64%まで低下(国債価格は上昇)。終値利回りは前日より0・005%
低い0・655%で、取引時間中と終値のいずれも、03年6月下旬以来、約9年8カ月ぶり
の低水準を記録した。アベノミクスによる大胆な緩和への思惑相場は為替・株式市場での
円安・株高だけでなく、債券市場にも広がっている。
政府は2月28日、日銀の次期総裁候補に黒田東彦(はるひこ)アジア開発銀行総裁
(元財務官)を、副総裁候補に岩田規久男学習院大教授を起用する人事案を国会に提示。
黒田氏は「物価目標2%の達成期限は2年が適当」と発言するなど積極緩和派。岩田氏は
日銀が国債などをもっと買い入れ通貨の供給量を増やせば物価も景気も上向くと主張する
リフレ派の代表格だ。
市場では「国会同意を得て『黒田日銀』が誕生すれば、初回の4月はじめの金融政策決定
会合から思い切った追加緩和策を打ち出す」(米投資会社)との観測が拡大。資産買い入れ
基金による国債購入規模の拡大や、長期国債の買い入れ年限を現在の残存期間(満期までの
期間)3年から5年に拡大することが有力視されている。
実現すれば、5年物国債の金利が大幅に低下、その影響は満期までの期間がより長い国債
にも及ぶ。銀行などが運用益を確保しようと、相対的に金利が高い残存期間の長い国債の
購入に動くと見られるからで、その中心が10年債。すでに10年債が買われ、利回りが
低下しているのは日銀の緩和強化を見込んだ先回り買いとも言える。
1日は、追加緩和期待から日経平均株価も続伸、4営業日ぶりに1万1600円台を回復
した。通常、逆の値動きを示すことが多い株と債券が「株高・債券高」で共存共栄する展開
となっている。【竹地広憲】
ソース:毎日jp
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