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戦後のいろいろな労使紛争を見ると、「なぜあちらの組合員には残業をさせて、俺たちにはさせないのだ。差別じゃないか。俺たちにも残業をさせろ」と訴えて、裁判所が認めたという事例が山のようにある。
だから、少なくとも制限なしに働くということが、そんなに不都合なことだと日本の労働者は思っていなかった。日本の真っ当な正社員の働き方というのは、本当にそれが労働法に従っているかといえば、
必ずしもそうではない面があっても、それで文句を言うのは馬鹿なことで、法律に規定されているということとは違うレベルの社会的交換が成り立っていたのだ。この取引を山口一雄氏は「見返り型滅私奉公」と呼んでいる。
滅私奉公と言うととんでもないものに見えるかもしれないが、ちゃんと見返りはあった。大事なのは長期的な約束であり、約束が中高年になっても守られている限りはブラックでなかった。
逆にいえば、戦後の日本で、労働法にこう書いてあるなんて会社に文句を言う馬鹿な奴は真っ当な正社員になれない。「労働基準法?上等だ。お前は一生面倒をみてもらいたくないということだな。
一生面倒を見てもらいたいのなら、ぐたぐた言うな」というのが、暗黙の(時には明示の)社会的文法であった。