13/02/16 22:08:57.28 ZPWvMV8N
>>252
■企業が不利な正社員という雇用形態を続ける理由
日本では、新卒で正社員として就職すれば定年までの約40年間「終身雇用」が保証されると考えられている。
これは一見すると、労働者にとって法外に有利な契約。だからこそ、企業は派遣などの非正規を増やそうとし、正社員の地位はますます稀少になる。
しかし、そんなに正社員のが労働者にとって一方的に有利な契約なら、企業はなぜそんな不利な雇用形態をいまだに続けているのか?正社員として採用するかどうかは企業の自由なのだから、全員を非正規にすることもできるはず。
もちろん、正社員で募集しないと優秀な人材が採れないからだろうが、日本的雇用が生き残る理由はそれだけではない。
日本の会社は、終身雇用と引き換えに、正社員に対して絶対的な権力を持つことができる。
『日本の裁判所は、解雇については労働者の味方だが、転勤や配置転換など(解雇を回避するための人事権)を不服とした訴えには、極めて厳しい態度で臨む』。
「生活の面倒を見てもらっているのだから、多少理不尽な事をされても我慢しなさい」というわけ。
最低賃金や有給など法に定められた最低限の労働条件を満たしていれば、会社は正社員に対してどんな無理な要求をしても許される。
■変わった日本的雇用
日本的雇用とは、会社と労働者との間で「生活保障」と「会社への従属」を交換することだった。
『しかし、これは単なる慣習なので、正社員の形式さえ整っていれば、「会社への従属」だけを要求したとしても何の問題もない』。
■会社と正社員の歪(いびつ)な関係を利用したビジネスモデル
新卒を大量に正社員で採用し、最低賃金とサービス残業で徹底的に酷使すれば、アルバイトを時給で雇うより、ずっと人件費が安い。
もちろん、こんな労働条件ではみんな辞めていくが、正社員に憧れる新卒はいくらでもいるので、翌年また大量に採用すれば良い。
■参考
◆ブラック企業を生んだうるわしき「日本的雇用」の正体[橘玲 真実のニッポン 週刊プレイボーイ 2013/02/18号]