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富士通は2月7日、2012年度第3四半期(2012年10~12月)の決算発表および抜本的な
構造改革案を発表した。詳細な決算内容や半導体部門の再編などについては、すでに
多くのニュースサイトで紹介されているが、ここでは同時に発表されたICT部門の動向と
中期経営計画における成長シナリオについて紹介する。
富士通の2012年度第3四半期の決算は売上高は前年同期比2.9%減の1兆482億円、営業損失は
同73億円悪化の41億円となった。ここで計画を下回る要因となったのが、今回再編を決めた
半導体部門のほか、PCや携帯電話などのハード部門の不振だ。
特に欧州の富士通テクノロジー・ソリューションズ(FTS)の苦戦が影響したという。
同社は富士通とドイツのSiemensとの合弁企業として誕生したが2009年に富士通の完全
子会社となった。PCやサーバなどの販売を行っているが、欧州景気の低迷や価格競争激化
の影響を受けて低迷した。
富士通の代表取締役社長山本正巳氏は「FTSはモノ売りが中心で市場環境などの影響を
受けやすく苦戦した。今後はハードウェアだけではなくサービスやソリューション
ビジネスを組み合わせた提案を中心に据える」と話す。今後はプロダクトからサービス
へのシフトを進め、人的な配置転換なども含めた構造改革を進めていくという。
同様のサービスシフトはFTSにとどまらず富士通全社の方針でもある。すでに一部では
進んでいるものの、今回の中期経営方針で改めて「富士通はソリューション・サービスの
企業になるという明確な姿勢を示したつもりだ」と山本氏が宣言。経営面の問題から
一気にシフトするわけではないが、段階を経ながら脱モノ売りを加速させていく方針だ。
今後に向けては、ハードウェアからソフトウェア、サービスまでを一貫して提供する
垂直統合型ビジネスモデルを推進していく。
既存領域では、エンタープライズ向けのシステムを最適化し既存IT資産の圧縮を行う
モダナイゼーションサービスの推進や、導入ノウハウを組み込んだ垂直統合型システムの
展開などを進めていく。またビッグ・データなどソリューション・ソフトウェアの拡充を
図り、SIの高度化と効率化を進めていく。(※続く)
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