13/02/08 16:33:28.14
中国で、長期休暇を取って海外旅行で出掛ける人が増える旧正月・春節（１０日）が
近づいてきた。尖閣諸島問題で減少した京都市を訪れる中国人観光客は復調の兆しが
表れており、観光関係者は冷え込んだ日中関係の雪解けに期待を寄せる。ただ、中国
海軍による海上自衛隊護衛艦へのレーダー照射で両国間には再び緊張が生じ、不安定
要素は消えない。
ＪＲ京都駅に近い家電量販店「ヨドバシカメラマルチメディア京都」（下京区）では、
午後８時を回るとカメラや化粧品売り場に中国人観光客とみられる集団が目立つ。
同店によると、近くのホテルに宿泊している中国人が、夕食後に土産を買うため訪れる
ことが多い。尖閣問題が浮上した後の昨年１０月から２カ月間は中国人の来店者が２割
減ったが、１２月以降は前年並みに戻ったという。天津市から社員旅行で訪れた張力さん
（３３）は「震災はあったが日本はやっぱり安全で魅力的。領土問題への抵抗感は
なかった」と話す。
日本政府観光局によると、日本を訪れた中国人は昨年１０月から３カ月連続で前年を下回り、
特に１１月は前年比４４％減の５万２千人に落ち込んだ。ただ、１月は「大きく減った
団体旅行の問い合わせが旅行会社に入ってきており、減少幅は縮まる見込み」のようだ。
西陣織会館（上京区）では、着物ショーや土産物店を訪れる中国人と見られる団体客が、
昨年１０月以降、前年に比べ９割減った。しかし、１月下旬から徐々に増え、今は１日
１００～２００人に戻ってきたという。
府や京都商工会議所の主導で、京都の伝統工芸品や食品の業者が中国市場開拓のために
成都市と上海市の百貨店で昨年開設した「京都ショップ」でも昨年秋に来店者が激減した。
しかし、年明け以降は順調に客足が戻り、現在は春節に向けてにぎわいを見せているという。
府は「中国の富裕層は尖閣問題に対しても意外に冷静のようだ」（海外経済課）とする。
だが、２月になって尖閣諸島沖で中国海軍の艦船が海上自衛隊の護衛艦に射撃管制用
レーダーを照射していたことが明らかになった。再び中国人観光客の退潮を招きかねない。
京都商工会議所観光産業特別委員会委員長の南隆明・京都駅ビル開発相談役は「海外からの
観光客は外交問題などの影響を受けやすい。京都市が国際観光都市として生き残っていく
ためには、外交に影響されにくい国際会議の受け入れ体制整備にもっと力点を置く必要が
ある」と指摘する。
●家電量販店「ヨドバシカメラマルチメディア京都」では、
昨秋に激減した中国人観光客の姿が戻ってきたという
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