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>>1の続き
圧倒的販売台数と市場での主導権を背景に、価格交渉で強気姿勢を貫いてきたアップル。
これまで不利な交渉を余儀なくされてきた通信キャリアや部品メーカーも、アップルの
影響力低下は歓迎するだろう。
携帯通信キャリアはアップルなしで生きていくことはできないが、サムスンなど競合メーカー
が市場シェアを奪い続けていけば、同社との交渉で余裕も生まれると専門家は指摘する。
■時代遅れ
端末販売補助金は、iPhoneの成功の大きな原動力となり、アップルの業績の押し上げ
要因でもあった。アナリストの推計によると、iPhoneの販売補助金は1台当たり
約400ドル。他のスマホでは1台につき250─300ドルだという。
しかし、それも変わりつつあるかもしれない。TモバイルUSAはアップルとの契約内容は
開示していないが、ジョン・レジャー最高経営責任者(CEO)によれば、スプリント
・ネクステルがアップルと交わした向こう4年で総額155億ドル支払うという条件ほど
大きな負担ではないという。
米国で最初にiPhoneの取り扱いを開始したAT&Tのランドール・スティーブンソン
CEOも、TモバイルUSAの姿勢を歓迎。販売補助金廃止は「われわれが何度も考えて
きたことだ」とし、「今後も注視していく」と述べた。
ベライゾンのマクアダムCEOもロイターの取材に対し、TモバイルUSAの戦略は
「非常に興味深い」と評価した上で、顧客側にiPhoneの端末代金を全額負担する
準備があるかどうかについては懐疑的な見方を示した。
しかし、仮に端末販売補助金廃止の動きが広がれば、消費者は端末の価格面を重視する
ようになる可能性がある。
調査会社IDCによると、2012年第4・四半期の世界スマホ市場は、サムスンが
シェア29%で首位となった。サムスンが前年同期の22.5%からシェアを伸ばした
のとは対照的に、アップルは前年同期の23%から21.8%となり、2位に甘んじた。
アップルが40%前後と言う高い利益率を確保できていた理由の1つは、半導体メーカー
などの部品メーカーから安い調達価格を引き出す力があったからに他ならない。
しかし、米国市場での競争激化や、急成長する中国市場ではスマホ販売台数で6位と
比較的弱い立場にあることを考えれば、その力を維持するのは簡単ではないだろう。
部品メーカーの株価はこれまで、アップルに製品が採用されるか否かに大きく左右されて
きた。半導体メーカーの米オーディエンス(ADNC.O: 株価, 企業情報, レポート)は、
アップルとの取引を追い風に昨年株式上場を果たしたが、アップルが同社製品の採用を
中止したの受けて株価が急落した。ただ、オーディエンスにとって最大の顧客は現在
サムスンとなり、株価も回復基調にある。
ある半導体メーカーの幹部は、アップルへの業績依存度が低くなる日を展望している。
この幹部によると、アップルとの取引は、莫大な販売数量が保証される一方、ぎりぎりの
コストを要求されて利益確保が難しい「両刃の剣」だという。(※続く)