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1969年、セイコーがクオーツ時計を発明。
以後約20年間、セイコーとシチズンの日本メーカーが世界を席巻した。
クオーツショックによってヨーロッパメーカーは大打撃を受け、
日本の2社を中心に時計業界は再編されるとさえ言われた。
ところが中国が、数百円のシチズンのクオーツモジュールを買ってきて
安い時計を作るようになり、
ヨーロッパは同じモジュールを使って高級ブランド時計を繰り出し、
数百万の機械式時計も磨きをかけて復活した。
中途半端な価格帯のセイコーとシチズンは売れなくなった。
セイコーは時計は精度とコストの勝負だと考えた。
しかし精度技術はみんなに安く使われてしまい、コストは中国が支配するようになった。
ヨーロッパは、時計は装飾品でありファッションでありブランドであると考えた。
セイコーが失速した最大の原因は、世界市場を理解し適切な戦略を描ける
グローバルな人材が欠如していたことだ。
スイスの有名時計メーカーの会長に
「もしセイコー再生を頼まれたらどうするか」と質問したらこう答えた。
「ブランドを維持するためには1人のプロデューサーがいればよい。
ところが、それをセイコーは組織でやろうとする。
高級ブランドのマーケティングに熟知しているプロデューサーを1人雇って
全部任せれば復活するのに」