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クルマ社会の米国の都会で、自転車に乗る若者が増えている。10代後半の若者による
運転免許取得数の減少も見られる。若者のクルマ離れを止めようとメーカーは対応に
必死だが…。
近代的アパートや改修された倉庫群が姿を見せるブルックリンのウィリアムズバーグは、
今やニューヨークの「都市再生」を象徴する地区だ。ケントアベニューの自転車専用
レーンをおしゃれなレトロ風自転車が切れ目なく走り過ぎる様子は、この地区に集まる
アート志向の強い若者の多くが、自分のクルマを持たずに移動している証拠だ。
■自動車神話の崩壊
米自動車メーカーが懸念するのは、ウィリアムズバーグの若者たちが自動車利用者数が
減少する前触れなのかどうかという点だ。クルマの利用者が減少する傾向は、運転免許を
取得する10代の若者の数が減っている*1ことからもうかがえる。
*1=この記事に関連した別のFTの記事によると、米国で16歳で自動車免許を持つ比率は
かつての50%からこの30年で減少し、2008年には30%まで下がったという
米フォード・モーターの未来学者、シェリル・コネリー氏は、「クルマに対する考え方が
変わってきている」と話す。今のヤングアダルト層*2にはクルマに代わる交通手段が
増えている。オレゴン州ポートランドといった都市が自転車の利用を推奨して大成功を
収める一方で、別の地域では30年前に比べ公共交通機関が格段に発達しつつあるという。
*2=10代後半の若者
「今のクルマには、みんなが1960~70年代に抱いていたようなイメージはない」とコネリー氏。
フォードは、この自動車神話の崩壊に抗おうと必死だ。米ジップカーが、大学キャンパス内で
提供するカーシェアリングのサービスにフォードのクルマを使うことに合意した。フォードは、
学生たちがフォード車の運転に慣れることで、自分でクルマを買う際にフォードを選ぶきっかけ
になることを期待している。
フォードは他メーカーと同様、ヤングアダルト層の今や生活の中心である携帯電話などの
携帯端末とクルマをつなぐことにも力を入れている(かつてはクルマが彼らの生活の中心だった)。
クルマに代わる交通手段を求めるニューヨークの圧力団体トランスポーテーション
・オルターナティブズの副理事ノア・バドニック氏は、メーカーのそうした取り組みにも
かかわらず、都市の整備や移動パターンに今後大きな変化が起きると予測する。
「今から10年後には、60~70年代を異常な時代と振り返るようになるだろう。我々は都会に
回帰することで正常に戻ろうとしている」とバドニック氏。
だが自動車メーカーは、長期的にはクルマの魅力を取り戻せると考えている。米クライスラーで
市場研究を担当するディレクターのジョアン・ヘック氏は、若者の運転免許申請の減少は
「免許を取らないというより、先延ばししているだけ」と指摘する。
●クルマ社会で知られてきた米国だが、最近はクルマの免許を取得する
10代の若者の数が減少している
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