13/01/03 12:56:22.95
ひと月ほど前にアジア各国を回って、現地で働いている人や起業している人たちと
会ってきました。彼らは口々に「大変だけど、楽しい!」と言っていました。
実際、彼らの顔はイキイキしていました。
そして、日本に帰ってきて、今度は就職活動に苦労している学生や社会人に会いました。
「いや、ホント、大変ですよ」。確かにその大変さが顔に表れていました。日本で
普通に生活したいだけなのに、なぜこんなに大変なんだろう?
「海外就職研究家」の私が言うのもなんですが、日本国内で楽しくイキイキとできる仕事が
たくさんあったら、わざわざ海外に行く必要もないでしょう。でも、そうもいかないから、
いろんな選択肢を検討している人が多くなっていると思うのです。
■同じことしかできないなら仕事は安い方に流れる
日本で普通の生活が難しくなっている理由は、東南アジアを歩くとすぐに分かります。
先進国の人が貧しくなっている代わりに、途上国の人が豊かになっているからです。
今回、カンボジアで衝撃的な光景を見ました。10年前に日本人のアルバイトがやっていた
文字データ入力の仕事を、カンボジア人が行っていたのです。
日本語が分かる人は少ないのに、なぜそれが可能なのか。それは、マウスでできる
画像データの修正と、アルファベットの入力作業のみ行っているからです。その作業が
終わると、次工程の中国やタイにデータを飛ばしていました。
日本人がインターネットで送った元データを、カンボジア人が一次加工し、中国人や
タイ人が完成データにして日本の顧客に戻してくる。データの移動コストは、金額
・時間共にほぼゼロです。
「日本語が話せるタイ人が月給5万円でこれだけ仕事をしてくれるのに、
日本人に20万円払う必要はどこにもないよね?」
こう言うと、「日本は生活費が高いんだから仕方ないだろ!」と反論がきます。確かに
その通りなのですが、そんな個人の事情とは関係なく、仕事は無情にも月給5万円の人の
ところに流れていきます。
そうやって、月給20万円の日本人の給料は少しずつ下がり、月給5万円の日本語が使える
タイ人の給料は少しずつ上がる。そしてタイ人の仕事も、少しずつ月給1万円のカンボジア
に流れていくのです。
■「仕組みを作って回す仕事」ができれば共存共栄
先進国の国内格差は広がっているといわれますが、世界全体から見ると格差が縮まっている
ともいえます。途上国の貧困層と、先進国の中流層の格差が縮まっているのです。そんな
フラットな世界で、どうやって生き延びていけばいいのか。
タイ人が5万円もらえているのは、1万円のカンボジア人にはない「日本語入力」の技能を
持っているから。高い給料をもらうためには、それに見合うだけの技術が求められます。
我々が月に20万円、30万円稼ぐためには、「日本語が使えるタイ人」の何倍もの利益を
生み出す技術が必要になるのです。(※続く)
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