【為替】貿易赤字下の円安効果 (読売新聞 “今を読む”)[12/12/05]at BIZPLUS
【為替】貿易赤字下の円安効果 (読売新聞 “今を読む”)[12/12/05] - 暇つぶし2ch1:やるっきゃ騎士φ ★
12/12/06 09:52:40.35
調査研究本部次長兼主任研究員 丸山 康之

自民党の安倍晋三総裁が11月15日の読売国際経済懇話会(YIAS)で
日本銀行に無制限の金融緩和を求める発言をして以来、為替市場では円安が進んだ。

円安は日本経済の踏切板になるのだろうか。
東京外国為替市場では安倍総裁講演前日の11月14日夕の1ドル=79円90銭程度から
11月30日夕には1ドル=82円70銭程度へとドル高・円安が進んだ。この間に円は
ドルに対して3%余り値下がりしたことになる。
同じ期間に日経平均株価(225種)は8664円から9446円へと9%値上がりした。
アメリカなど海外の株価指数の上昇率を大幅に上回るので、円安が日本の株価を押し上げた
とみてよかろう。円安になれば、日本企業の外貨建て輸出の採算は好転しやすいし、海外の
子会社の利益も円換算では膨らむ。

だから円安は日本にとってプラス、と考えるのは、しかし、少なくとも
日本経済の足元の状況をみる限り間違っている。
2011年3月の東日本大震災をきっかけに、日本は貿易赤字国に転落した。
11年度の貿易収支は約3兆5000億円の赤字だった。2012年(暦年)は
5兆円程度の貿易赤字を計上することになりそうだ。

仮に日本の輸出入がすべてドル建てだとしてみよう。貿易赤字の場合には輸入代金の
支払い額のほうが輸出代金の受取額より多いので、円安になれば輸入代金の円換算額の
増加分が輸出代金のそれを上回り、円ベースの貿易赤字が膨らむ。日本の富の海外流出が増え、
国内総生産(GDP)の減少要因になる。

もちろん実際には日本の貿易には円建ての部分もあり、これは円安の影響を受けない。
財務省の統計によると、2012年上期には輸出で60%、輸入で78%が外貨建てで、
輸入のほうが外貨建て比率が高い。その分、円安になれば貿易赤字が拡大しやすい。
貿易黒字の時代と違って、円安でデメリットを受けやすいのが、現下の日本の貿易構造といえる。

少し先を見れば、円安には輸出数量の増加やいわゆる産業空洞化の回避といった効果も
指摘される。
しかし、円高で日本の輸出企業の業績が悪化したのは、国際競争が激しく、外貨建ての
輸出価格を引き上げるのが難しいためだ。逆に言えば、多少円安になったからといって、
外貨建て価格を下げて輸出拡大を図る余裕は乏しい。海外に移った生産拠点の回帰にも大きな
期待は抱けない。

日本経済が全体として円安メリットを受けるようにする方法の一つは、原子力発電所の再稼働で
火力発電用燃料の輸入を減らして貿易黒字に復帰することだが、昨今の政治状況では原発問題の
先行きは見通しにくい。
とすれば、輸出企業が収益の好転分を活用して国際競争力を強化することが、円安メリットを
広げる道筋になる。日本経済の再浮上への勝負所はこれからだ。

ソースは
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)


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