【コラム】リフレ政策は本当に無意味なのか [12/10/29]at BIZPLUS
【コラム】リフレ政策は本当に無意味なのか [12/10/29] - 暇つぶし2ch1:依頼@@@@ハリケーン@@@φ ★
12/11/03 21:29:12.74
武者陵司 武者リサーチ代表

日本では、知識層ほど、米国の積極的な量的緩和政策の効果について懐疑的な目で見る人が
多い。そればかりか、米国経済の中長期の潜在成長力についても、特に2008年の
リーマンショック以降、観念的な悲観論を耳にする機会が改めて増えてきた。

しかし、自国の病状を理解する中央銀行が適切な手当てを施しているという意味では、
米国はましだ。経済低迷の全責任を金融政策のみに帰する「日銀犯人説」に100%同調
するつもりはないが、その一方で政府の構造政策のみに打開策を求める論調にも到底納得
できない。筆者は、むしろこの局面では金融政策こそ大きな役割を果たすべきだと考えている。

<壊れた所得再配分チャネル>

重要なことは、まず(米国が二の舞を踏むことを恐れている)日本型デフレの症状を改めて
直視することである。

日本経済の長期停滞の最大の特徴は労働賃金の下落にあるが、これはもっぱら日本の特殊
事情に因るものだ。過去20年余りの経済協力開発機構(OECD)の労働関連統計を見ると、
日本の労働生産性は1990年のバブル崩壊後も先進主要国の中で決して見劣りしない
パフォーマンスをあげているが、労働賃金は日本だけが90年代半ばに下落に転じている。

常識では賃金は生産性向上に伴って上昇するはずなので、これは奇妙な現象である。どう
して日本では長期にわたってその因果関係が全く働いてこなかったのだろうか。ヒントは、
教育、運輸、住宅、医療・ヘルスケア、娯楽などの内需型サービス産業の雇用停滞にある。
日米独英の製造業と非製造業の雇用数推移を見ると、日本だけが非製造業の長期的な雇用
停滞に陥っていることが分かる。

原因がサービス価格の低下にあることは明白だ。たとえば、日米の物価をいくつかのセクター別
で比較すると、衣料、自動車、通信に関しては両国ともほぼ同じように下落傾向で推移して
いる一方で、前述した内需型サービスの価格は日本では低下もしくは横ばいで推移し米国で
は上昇している。

これは何を意味するのか。40年ほど前、日本で「生産性上昇率格差インフレ」という
議論がなされた。異なる産業間で賃金水準が同様に上昇するには、生産性の上昇率が低い
産業においては賃上げを可能にするインフレが必要であり、実際低生産性セクターのイン
フレ率は高くなるという議論である。

日本に限らず、内需型サービス産業の生産性の伸びは総じて低い。よって、ハイテクなどの
高生産性セクターの賃金水準に近づいていくメカニズムが作用する過程では、生産性の伸び
の劣位を補完するインフレ、すなわち値上げが行われることになる。これは、見方を変えれ
ば、生産性の伸びは高くないが国民生活に必須の産業への所得配分がなされていると言える。

ところが、日本では、この所得配分の最良のメカニズムが機能しなくなっている。サービス
価格デフレによって内需産業に所得は配分されず、同産業の賃金も雇用も需要も停滞傾向を
強める状況に陥っているのだ。

ソース:Reuters
URLリンク(jp.reuters.com)

(つづく)


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