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金融庁の金融審議会は１０日、金融システムの安定に関する作業部会を開き、銀行が事業会社に出資する際に、
出資比率は議決権の原則５％までとしている規制の緩和に向けた具体的議論を始めた。
引き上げ幅などについて討議し、来年の通常国会での関係法改正案提出を目指す。
規制は「５％ルール」と呼ばれ、戦前の財閥が銀行による出資を通じて多くの事業会社の経営権を握り、
自由な競争が阻害された反省から定められた。
政府内では、５％ルールを緩和し、銀行が企業に出資しやすくすることで中小企業の資金調達を支援、信用力増強につなげる狙いがある。
１０日の作業部会では委員から、地域の経済活性化のため「規制は撤廃すべきだ」との意見が出た一方で、
銀行のリスク管理が増大することへの懸念も示された。規制の全廃は厳しいとしても、
現在の５％から１０～２０％程度に引き上げるのが現実的とみられる。
来年３月には、中小企業金融円滑化法が期限を迎え、資金繰りの悪化による企業倒産の増加が懸念されている。
５％ルールの緩和は資金調達の道を広げる意義は大きく、倒産予防策にもつながる。
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