12/10/09 16:03:16.73
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2012年のノーベル生理学・医学賞の受賞が決まった山中教授。
再生医療の切り札「iPS細胞」を発見し、日本で最もノーベル賞に近い研究者と言われ続けてきた末の
快挙だ。
2011年秋の山中教授へのインタビューでは、研究への取り組みと、後進の科学者を育てるためには
何が必要かを語った。
--日本は科学技術立国として輝き続けることができるでしょうか。
山中:日本人の技術者は、間違いなく世界一です。器用さ、勤勉さ、創意工夫、チームで取り組む力
など、研究者として重要な素養を備えている。
現在は米国にも研究室を構えているのですが、日本人は素晴らしいと痛感しています。
日本が生きていく大きな道の1つは科学技術立国だと考えています。研究者や技術者はみな、
科学技術立国たる日本を背負っているのだと自負しています。若くて柔軟な人が次々と研究に
従事するようになれば、もっと伸びていくでしょう。
ただ、理系離れは深刻です。日本では研究者の地位があまりに低い。
若い人たちに研究者が魅力的な仕事に見えていません。このままでは担い手がいなくなってしまうと
懸念しています。
私は、大学卒業後、臨床医を経て、研究者になりました。両方の立場を知っているのですが、
日本では間違いなく医師の方が社会的地位が高い。これは冗談ですけど、ローンを組むなら
「職業は医師」と書きたくなってしまうほどなんですよ。
--大学で得られた知見が、続々とベンチャー企業などで実用化されている米国ではどうなのですか。
山中:米国は日本の逆です。医師よりも研究者の方が社会的地位が高い。
ハードワークなのは日米同じですが、ちゃんとした家に住んで、ホームパーティーを開いて、
楽しく暮らしている人が多い。給料そのものも高く、ベンチャー企業とのつながりも強い。
ですから、米国では研究者が憧れの職業なのです。「私も一生懸命研究して、あんな先生になりたい」
と子供が思い描いている。子供は憧れから将来の夢を見ます。
残念ながら、日本にそういうロールモデルはいません。
毛利衛さんが宇宙飛行士として活躍していた当時は、研究者になりたいという子供が一時的に
増えたこともあります。でも、研究者というと、毎日研究室にこもって、家族も顧みず、稼ぎもよくない
というイメージが定着している。これでは、理系離れが止まるはずがありません。
-続きます-