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尖閣諸島の国有化にからんで、日中関係についてさまざまな議論が起こった。海外の有力
メディアでも、例えば米ニューヨークタイムズの元東京支局長だったニコラス・クリストフが、
尖閣諸島の所有権は「中国の主張を支持する」として、台湾・国立政治大学の研究員である
邵漢儀の記事を紹介している。この研究員は2012年5月にも米ウォールストリートジャーナルに
同様の主張を「投稿」していた。
残念なのは、日本の学者による反論があまり海外で紹介されないこと。クリストフにしても、
ニューヨークタイムズが掲載した記事の序文で、日本の学者に根拠ある反論をしてほしいと
呼びかけている。日本の学者もウォールストリートジャーナルに投稿するなり、クリストフに
反論を示すなりするべきだろう。
■「中国人はカネのためなら何でもやるからな」
そもそも中国が尖閣諸島にこだわる理由が、その近海にある天然資源であることはもはや説明
するまでもない。とにかくエネルギーを求める中国は世界中で資源確保に手を広げている。
ただその必死さと、なりふり構わずの姿勢が顰蹙(ひんしゅく)を買うことは少なくない。
経済成長の著しい中国はカネの詰まったカバンを手に、天然資源の確保や内需市場を狙って
世界に進出してきた。最近、軍事政権から民政に移管し、経済開放政策で「最後のフロンティア」
と呼ばれるミャンマーにも、軍政時代の「鎖国状態」の中で中国が経済的に深く入り込んでいた。
ただし中国のやり方には、多くのミャンマー人が辟易(へきえき)している。知人のミャンマー人
は「中国人はカネのためなら何でもやるからな」と嫌悪感を隠さない。
最近、ニュースを見ていると、あちこちで「シノフォビア(Sinophobia)」という英語の言葉を
よく目にするようになった。シノフォビアとは簡単に言えば「Sino=中国」「Phobia=嫌悪」で
「中国嫌悪」という意味で使われている。そもそもは世界に進出する中国人や中国文化に対する
嫌悪感を表現する言葉だ。前出のミャンマー人も中国に対してシノフォビアを感じている。
■「不公平な競争」にアフリカでも中国嫌悪が広がる
最近シノフォビアが急激に広がっているのがアフリカだ。アフリカでは、世界的に見ても
中国による進出が顕著で、中国はすさまじい勢いで入り込んできた。欧米の経済専門家の
中には、中国のアフリカでのこうした動きを「新植民地主義」のやり方だと非難する者も
多いが、貧しいアフリカ諸国はカネを落としてくれる中国を良きパートナーだと受け入れ
てきた。でも結局、中国人に対する反発がどんどん高まっており、アフリカ各国の政府が
頭を抱える事態も頻発している。
アフリカ中部ザンビアで2012年8月、中国人が経営する炭鉱で事件が発生した。労働環境や
賃金の改善を求めた労働者による抗議が、暴動に発展したのだ。この暴動で、50歳の中国人
監督者が労働者の運転するトラックでひき殺された。別の中国人監督者も病院に運ばれたが、
一命を取り留めた。(※続く)
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