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9月7日、公正取引委員会はライトオンに対し、下請法違反で勧告を行った。その後、9月20日には
パレモ、ニッセンにも下請法違反で勧告が行われた。
勧告はこれだけではなく、今年7月にはジュニアー、今年4月にコナカ、昨年3月にはマックハウスと、
相次いで下請法違反が発覚している。下請法違反の内容は様々だが、勧告で多いのは主に次の2つだ。
1つ目は契約にない不当返品である。2つ目は、下請け業者への支払い代金を不当に減額する不当
値引きである。一定の取引額を越えた下請けメーカーに支払うべき金額を勝手に値引くというケース
が多い。なぜ最近、これほどハイペースに下請法違反が発覚するのだろうか。その背景を考えてみたい。
■返品したら「不当返品のため受け取り拒否」
筆者は1994年から2年半ほど、洋服・靴の販売職に従事したことがある。量販店子会社のチェーン店で、
当時の年商規模は100億円には届かず、70億~80億円程度だったと記憶している。販売していた商品の
価格はトップス類で990~4900円、ボトムスで1900~8900円で、いわゆる低価格カジュアルを主体
としていた。
商品調達は本部による一括仕入れで、これを各店に振り分けるという形式を採っていた。そのため、
特定の商品を他店に移動させたり、商品の値下げを行ったりという指示はすべて本部から出ていた。
当然、返品指示もあった。その指示はかなりの高頻度であり、何回かに1回の割合で返品先から
商品が送り返されてくることもあった。
返品をする際は、店舗の人間が返品伝票を作成した。品番と枚数、金額を書き、備考欄に返品理由を
書く。「不良品」「商品汚れ」「本部指示のため」「バイヤー指示のため」などと返品理由を書いた。
こうして返品したものがが時々、送り返されてくる。そこには「不当返品のため受け取り拒否」と
書かれていた。
大学を卒業したばかりの当時は何のことやら分からず、本部のバイヤーに電話して「返品したのが
また送り返されてきたんですが、どうしたらいいですか?」と質問する。するとバイヤーは
「ちょっとしばらく店で保管しておいて。また改めて指示する」と答える。その後、何週間かして
「改めて返品して」という指示があった。
今の知識に照らし合わせて考えると、このバイヤーはメーカー側に許可を得ずに勝手に返品していた
と推測される。立派な不当返品である。
これが20年ほど前の話である。不当返品は今に始まったことではなく、何十年も前から存在している
ことが分かっていただけるだろう。
筆者の友人で、量販店向けメーカーに20年勤務して、OEM(相手先ブランドによる生産)の事務所
として独立した者がいる。独立してから8年前後が経過しているので、この業界30年近い大ベテラン
である。
彼は、メーカー時代に量販店各社やユニクロ、ハニーズ、ライトオン、パレモ、ニッセン、ジーンズ
メイト、マックハウスなど大手低価格チェーン店を軒並み担当したことがある。ちなみに彼の所属
したメーカーは筆者が勤務していた小売店とも取り引きをしていた。
彼がメーカーに勤務しているころから、不当返品はあったし、不当値引きも普通に存在した。
不当返品や不当値引きがなかったのは「経験上、ユニクロ、しまむら、ハニーズ、ジーンズメイト
くらいだった」と振り返る。(※続く)
◎URLリンク(business.nikkeibp.co.jp)