12/09/29 11:01:05.45
「作りたかったのは、これまでで最も美しく、最もパワフルな地図機能を持つアプリケーションです。」
データの怪しさや機能不足で絶不評の iOS 6「マップ」アプリについて、アップルが品質問題を認め
ユーザーに謝罪する文書を公開しました。CEO ティム・クックの名前で公表されたのは、「A Letter
to Our Customers Regarding Maps」(マップについてのお客様への手紙)。
要約すれば:
(iOS 6 のマップはアップルが目指す最高の製品とはいえない出来だった、お客様に不便を感じ
させたことは極めて遺憾に思う、マップを改善すべくあらゆる手を打つ。)
とまずは率直に非を認め謝罪し、改善を約束しています。続いて、新マップへの移行はユーザーに
もっと便利なアプリを提供するために必要だった、すでに1億を超える iOS デバイスユーザーが
新マップを利用しており、フィードバックによって品質は日々改善するとした上で、
(アップルがマップを改良するあいだ、App Store から Bing や MapQuest、Waze などの
代替地図アプリを入手したり、Google や Nokia のウェブ版マップのアイコンをホーム画面に
追加して使うことができる)
と、他社製のアプリをツナギに使うことを薦めています。結びは、アップルは常に世界最高の
製品を作ることだけを目標としている、マップがユーザーからのきわめて高い期待の水準を
満たすまで不休で開発を続ける、と今後の改善を約束する内容です。
iOS 6 のマップについては、リリース当初の「ベクタ化ですっきり速いのは確かだが、なんだか
おかしい」から、日本だけでなく世界的に地図データそのものが貧弱かつ不正確で著名なランド
マークさえ表示されなかったり、もともと低機能だった旧 iOS マップからさらに機能が欠けた
うえ、目玉の新機能は一部地域でしか使えないなど、事態の深刻さが把握されるにつれ不満の声
は強まるばかりでした。
昔日のアップルを知るユーザーからは「ひさびさに昔のアップルらしさを見た」「遺伝子は健在
だった」と倒錯した安心(?)コメントがあったり、特にひどい点を見つけてエンターテインメント
として楽しむ向きもあるものの、実際にマップに頼る必要があるユーザーにとっては、これまで
使えていたマップが使えなくなったこともあり冗談ごとでは済みません。
新マップへの切り替えそのものについては、「位置情報はモバイルの世界で極めて重要であり、
他プラットフォームと競争するうえでどうしても自前で押さえる必要があった(のだから不可避
なのだ)」というアップル100年の大計系コメントや、「アップルはユーザーからのフィード
バックで自前マップを改善する目的で敢えて強制的に新マップに切り替えたのであって、当初の
不評は織り込み済み、この完成度で出したことも計画通り」というアップル無謬説まで、こちらも
議論に事欠きません。
中長期的なプラットフォーム戦略の話はさておき、実際のアプリ品質と切り替えのタイミング、
ユーザーの反応については、CEOが公式に「非常に申し訳ない」(" extremely sorry ") と
ダメージコントロールせざるを得ない程度の読み違いはあったようです。
※長文記事のため、以下割愛。
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