12/09/18 08:00:38.43
ソースは
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「店長、ユニクロがめざすハイレベルのサービスってこんなものですか」
ユニクロ世田谷千歳台店で1カ月目の新人アルバイトが、こう質問して周囲を驚かせた。
現在渋谷道玄坂店で接客とスタッフ教育を担うサービスアテンダントの藤本千秋さんだ。
短大卒業後、幼稚園の先生になったが、サービスの仕事がしたいと、航空会社の
客室乗務員(CA)めざして退職。受験勉強の傍ら、ユニクロでアルバイトを始め、
冒頭の“直訴”となる。
高校・短大時代はファストフード店でアルバイトの指導役を務め、競合店の店長から
引き抜かれたことも。サービスを見る目は厳しい。
「世田谷千歳台店は高級住宅街に近いので、何回も来てもらうにはサービスが
物足りないと感じたんです」
藤本さんの提案に、当時の店長は「だったら君にやってほしい」と、
サービス指導係を命じた。新入りアルバイトが突然、指導係になるのだから周囲は
戸惑う。
「とにかく接客で模範を示しました。お客様から指名が入り、お褒めの言葉を
ちょうだいするうちに、周囲に認めてもらえました」
やがてCAの試験に合格し、ユニクロを去る。
「立ち居振る舞いなど、たくさん勉強できましたが、将来の自分を考えたとき、
今とあまり変わらないだろう」と限界も感じていた。
そこへ、渋谷に都心最大級の店舗がオープンするという話があり、「やりたいのは
サービスの指導や企画」と悟り、ユニクロに舞い戻った。
藤本さんはすべての客に「いらっしゃいませ」ではなく、「こんにちは」と挨拶する。
接客を求めている客かどうか見極め、必要と判断した客には声をかける。
「大切なのは、聞き上手になること。『今度旅行に行くんだ』といったお話を
聞いていると、好みや趣味もわかります。女性ならネイルの話も多い。
話し下手でも相手の意図を汲んで、的確な一言を出せれば売れます」
接客に効率は求めない。「会話が盛り上がっているなら、服が売れようが売れまいが
楽しんで帰ってもらえばいい。
人が来てくれなければ、どんなに効率のいい仕事をしても無意味ですから」。
そんな藤本さんのファンは多い。千歳台店時代は10人ほどの客が藤本さん指名で
来店。今でもわざわざ渋谷まで足を運ぶ客もいる。
その接客術や指導が認められて、半期に1回、全国3万人のスタッフの中から13人、
上位わずか0.04%の優秀なスタッフに与えられる「エクセレントCSスタッフ賞」
に輝いた。圧巻は、他のスタッフの知恵も集めた「サービス事例集」。
シャツを提案するときはジャケットと合わせて見せる、
買い物袋を留めるテープの端を少し折り返すといった小さな気遣いは、今や全店に
広がっている。
-続きます-