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国際通貨基金（ＩＭＦ）と世界銀行の年次総会が１０月９日から１４日まで、東京で
開かれる。日本での開催は東京五輪があった１９６４年以来、２度目。１８８の加盟国の
財務相らが一堂に会し、世界経済の展望、国際金融安定化、貧困削減、援助効果検証など
の課題について協議する経済外交の一大イベント。総会準備事務局を担う財務省は、
４８年ぶりの日本開催を盛り上げようとＰＲに躍起だが、お堅いテーマの上、混迷する
政局の行方にマスコミや国民の目が向いていることもあって、浸透はいまひとつだ。
総会は秋にＩＭＦと世銀がある米国ワシントンで開かれ、ワシントン以外での開催は
３年に１度。このため「通貨・金融のオリンピック」とも呼ばれる。
参加者は各国の財務相、開発担当大臣、中央銀行総裁のほか、経済協力開発機構
（ＯＥＣＤ）や世界貿易機関（ＷＴＯ）などの政府間組織・機関のオブザーバー、学界の
代表ら。招待者は１万人、関係者を含め２万人以上が東京に集うという。
東京での前回総会は東京五輪開幕の１カ月前。五輪に向けて日本列島が高揚する中、
田中角栄蔵相の下で盛大に行われた。準備事務局は「戦後の復興ぶりを大いに世界に
示し、再出発の原動力になったと聞いている」と話す。
今年の総会はエジプト開催のはずだった。しかし昨年、チュニジアに続いて起こった
民主化の動きによる政情不安から、エジプト政府が延期を申し出たため、日本が急きょ
開催に名乗りを上げた。準備事務局の仲浩史事務局長は「今回は東日本大震災から復興
するわが国の姿を、世界中に見ていただく絶好の機会にしようと思い立候補した」と
説明する。
期間中はさまざまな会議や討論会が行われ、メーンである１２日の本会議では、世界
経済の最大関心事である欧州の経済危機について意見が交わされる見込み。総会に合わ
せて会場周辺では、一般参加もできる民間主催のセミナーなどが企画されている。
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準備事務局が力を入れるのが認知度アップ。通常は４～５年前に開催が決まり、準備や
周知に時間をかけるが、急に開催が決まった今回はそうもいかない。
総会開催記念の千円銀貨を今月下旬に発行したり、ツイッターやフェイスブックで
情報発信したりしているが「反応は大きくない」（準備事務局）。案内役や通訳など
学生ボランティアの確保にも苦労したものの、九州を含む全国の大学に再三掲示を依頼
し１６００人以上の応募を集めたという。
警備も課題だ。２００９年に総会が開かれたトルコ・イスタンブールでは、大規模な
抗議行動が続き、拘束者が多数出るなど混乱した。総会会場の東京国際フォーラムは
ＪＲ東京駅や繁華街・銀座に近いため、警察庁は万一に備え、厳重な警戒態勢をとる構えだ。
ソース：西日本新聞
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（つづく）