12/09/02 20:59:35.19
石原慎太郎東京都知事の電撃表明から約4カ月半。都による尖閣諸島(沖縄県石垣市)の
購入計画が2日、現地調査という節目を迎えた。ボートや小型船に乗り込んで島に肉薄し、
島の本当の姿に触れた調査員ら。「早く手を入れないと自然が壊れる」「新たな観光資源に」。
海上保安庁の巡視船が警戒に当たるなど緊迫感も漂う中、調査員らは真剣な表情でそれぞれの
役割を果たした。
船は夜明け前の午前5時半、魚釣島の近くに到着し、日の出を待って作業を始めた。ところ
どころに雲はあるものの、太陽が照りつける天候。魚釣島の全景を前に、調査団長の坂巻政一郎
・尖閣諸島調整担当部長(53)は「思った以上に大きい」と驚く。上空を報道機関の飛行機が
旋回し、巡視船2~3隻が警戒に当たるなか、15人の調査員が小型船とラバーボートに分乗し、
引き締まった表情で島に向かった。
都専門委員の山田吉彦東海大教授(49)は小型船に乗った調査員の一人。魚釣島では切り立った
崖やウミガメなどが泳ぐ光景に、「美しい島だ」と感嘆の声を漏らす一方、自然破壊への懸念も
強めた。島を1周する間にヤギを12頭発見。植物が荒らされる食害も目立つといい、「早く手を
付けないと自然がダメになる」と厳しい口調で話した。
島の未知の姿に遭遇する場面もあった。魚釣島では地元でもほとんど知られていない島の南側も
航行。険しく鋭い岩壁の一角に、二等辺三角形のような形をした洞窟が見つかり、調査員は
「こんなものあるなんて知らなかった」と驚いた様子。調査に同行した地元の漁業関係者は
「南側は思っていたイメージと違う。有効利用すれば観光資源になる」と期待を込めた。
調査は作業中の小型船とボートを守るように、本船が外側に数百メートル程度離れた地点で
待機する形で行われた。このため、残った調査員らは双眼鏡を使って確認。無線も駆使し
「ラバーは現在、大気を採取中です」「了解しました」などと頻繁にやり取りした。本船側
からは「もう少し島の近くに寄れたらなあ」という声も漏れた。
午後には北小島と南小島に移動。船だまりを設ける場所があるか探るため、狭い両島の間を
ラバーボートで通過し、水深が約3メートルあることなどを確認した。ボートに乗った調査員
によると、南小島の北側には座礁して朽ち果てた船舶が放置してあり、無線からは「とにかく
鳥が多い」との報告があった。
都によると、作業は午後3時45分ごろ、すべて終了。昼間は肌が焼けるような暑さで、
ヘルメットと救命胴衣を着用した調査員らは汗びっしょりだったが、体調不良の人もいない
という。
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