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再生可能エネルギーの新制度で、バブルが生まれている。予想に反して、国産品が中国製
パネルを押しのけて絶好調。だが、海外向けで低迷するシャープは波に乗り切れない。
再生可能エネルギーの「固定価格買い取り制度」の施行で太陽電池バブルが勃発。国内の
太陽電池メーカーが活況に沸く中で、最大手のシャープだけが、依然として苦境の中にある。
国内勢は、予想をはるかに上回る勢いだ。下馬評では、新制度で中国製パネルが大量流入する
と言われていた。ところが、制度が始まっても中国勢の存在感は薄く、市場を日本メーカーが
席巻している。
「数百件の商談を抱えているが、中国製との競合は皆無に等しい」と昭和シェル石油の
太陽電池子会社であるソーラーフロンティア(東京都港区)の中島信幸・総合企画部副部長
は明かす。同社と競合するのは、シャープや京セラといった国内勢ばかりだ。
2006年にソーラー参入後、約1000億円を投じて工場を新設したが、赤字が続く。
だが、2013年上期には黒字に転じる見通しだ。「商談中の案件で手いっぱいで、
それ以上受注しても生産が追いつかなくなる」(中島副部長)。
実際、国内外で約60カ所の風力発電所やメガソーラーを運用するユーラスエナジーホール
ディングス(東京都港区)の清水正己社長は、「価格が安くても中国製を買う気はない」と言う。
「長期間、発電し続けるのだから、パネル自体が安いかどうかよりも、事業として低コストで
回せるかどうかが重要」というのが、その理由だ。
新制度では、メガソーラーで発電した電力を20年間にわたり一定の金額で買い取る。ひとたび
故障が起きると、途端に収益性が悪化する。さらに、保証やメンテナンスが受けられなくなる
と事業者は大きな打撃を受けるため、メーカーの信頼性が重要になる。
従業員30人で電設事業を営む荒川電工(高知市)も、メガソーラーの準備を進めている。
溝渕辰夫・営業本部長は、「10年程度の使用なら海外製品も考えるが、20年間ともなると
国産品を選ぶ」と打ち明ける。
■海外向け製品で損失膨らむ
こうした「国産バブル」を横目に、シャープのソーラー事業は苦境が続く。2013年3月期は
2500億円の連結最終赤字の見通し。主因は液晶事業の苦戦だが、売上高の1割を占める
太陽電池事業も100億円の営業赤字(前期は219億円の赤字)を見込む。
太陽電池事業の低迷は、海外向けの薄膜型太陽電池の採算悪化に歯止めがかからないことが
要因となっている。薄膜型は、外国製の安価な結晶型太陽電池への対抗策として注目されたが、
中国勢の攻勢に円高が加わって競争力を失った。(※続く)
●シャープは薄膜型太陽電池の採算悪化に苦しむ(堺市の太陽電池工場)
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