12/08/27 00:54:39.35
創業100周年を迎えるシャープが、過去にない経営危機に陥っている。主力の液晶テレビ、
太陽電池の巨額赤字が止まらぬ中、生き残りへのシナリオはあるのか。奥田隆司社長が
本誌の独占インタビューで語った。
----------------------
─8月2日に発表した第1四半期の赤字決算を受けて、経営危機について懸念が高まっている。
決算発表以降、報道機関がシャープについてたくさんの情報を発信している。シャープの株価も
大きく下落した。事実でないことも、ずいぶんメディアから発信されている。
正直申し上げて、取引先の方からもずいぶんと心配の声があり、商売にとても影響が出ている。
その辺の真偽について、ステークホルダーの方に対して事実でないと説明に走り回っていた。
(お盆の)連休中も会社に来ていた。国内・海外共に多くの方から心配の声が寄せられた。
業績と信頼の回復が一番という認識の下、こういうときこそ一枚岩になって、公表した業績を
きちっとやり遂げる努力をする。私自身も不退転の覚悟で邁進している。
─財務状況の悪化や、急増したCP(コマーシャルペーパー。無担保の約束手形)など
資金繰りについての不安が膨らんでいる。
私も格付け機関などに足を運んだが、格付けの低下によって、今後はCPなどの直接金融による
資金調達が難しくなるだろうと思っている。
金融機関のバックアップ体制については、短期、長期の資金繰りは連携を強化しながら、極力
借入額を抑えていく方向で協議を進めている。経営の再建策は8月2日の決算会見で話したが、
4000億円に及ぶ財務体質の改善、堺工場(大阪府)の安定的なパネル生産の増量、中小型液晶
パネルの収益改善に取り組む。
2013年度以降の確実な黒字化と利益回復のために、さらに1000億円の固定費削減に取り組んでいる。
─9月中旬までにリストラの全体像を示すことになると思うが、規模は十分なのか。
(5000人削減の)リストラ策は、従業員の1割にも満たないというが、それは連結グループ全体の
従業員数(5万6000人)を前提にした場合だ。単体ベース(2万1000人)で見たら、非常に大きな
数字だ。
─足元の財務状況を踏まえたらこれでは済まないのでは。
銀行側とは、お互いに協力し合いながら、12年度下期の営業利益の黒字化と、13年度の最終利益
の黒字化を目指すことで一致している。それをきちっと達成できるように考えていきたい。
─資金をサポートする銀行側と、事業を手がけるメーカー側の立場の違いもある。
金融業界の方々と、事業会社をやっている人とでは、やはり感覚が違うところがある。金融業界は、
非常に短期的な見方がある。しかし今は短期的な問題と、長期的な問題を、どう切り分けながら
解決していくかが重要だ。
銀行側とはお互いに情報交換しながら進めていくことが重要だと痛切に感じている。ただ事業を
やっているわれわれが、強い信念を持たなければならない。(※続く)
●奥田隆司・シャープ社長
1953年8月19日生まれ。大阪府出身。名古屋工業大学大学院修士課程工学研究科を卒業後、
シャープへ入社。AVシステム事業本部長、海外生産企画本部長などを経て、今年4月に
社長に就任。座右の銘は「現場主義」
URLリンク(diamond.jp)
◎URLリンク(diamond.jp)