12/08/03 16:34:01.53
太陽光や風力などの再生可能エネルギーでつくった電気を固定価格で全量買い取る制度
(FIT)による国民負担が5年後の2017年には年間約1兆2000億円になるとの試算を
電力中央研究所の研究者がまとめた。
電力会社が買い取り価格の変更がないとの前提だが、初年度にあたる2012年度の4.6倍に
膨れ上がることになる。
■国民負担、5年後には「月額400円」上昇か
電気中央研究所の主任研究員、朝野賢司氏によると、1キロワット時(kWh)あたり
太陽光発電の買い取り価格を現行の42円、風力発電が23.1円(20kW以上)、水力発電
25.2円(1000kW~3万kW以上)などの再生可能エネルギー全体を合算して算出した場合、
2012年度の電力会社の買い取り総額を資源エネルギー庁は、50億5000万kWh、2600億円
と見込んでいる。
買い取り対象となる再生可能エネルギーの発電量の内訳は、太陽光発電が37億kWh、
風力が7億kWh、水力1億5000万kWh、バイオマス5億kWhになる。地熱発電はゼロだ。
朝野氏はこれをベースに、7月に国際エネルギー機関(IEA)が出した再生可能エネルギーの
普及状況の予測値をもとに、買い取り価格の変更がないと仮定して試算したところ、2015年
には累計総額で1兆2600億円、17年には3兆300億円になると予測した。
17年度には累計で、太陽光発電が258億kWhと約7倍にも発電量を増やし、風力が64億kWh、
水力16億5700万kWh、バイオマス105億kWh、地熱も13億kWhに「成長」するとみている。
それに伴い、7月1日から始まった固定価格買い取り制度により、8月分の電気料金から一般
家庭の場合で、12年度は月額平均で87円が上乗せされる。それが2017年には約400円まで
上昇する見通しだ。
朝野氏は「買い取り価格は原則1年ごとに見直されることになっていますが、附則で施行後
3年間は変更しなくてもかまわないようになっていますから、少なくとも3年間は変更されない
でしょう。国民負担を減らすには、この買い取り価格を下げるしかないのに、です」と説明する。
■太陽光発電の買い取り価格が「高すぎる」!
再生可能エネルギーの買い取り価格は、太陽光や風力、水力など電源ごとに違う。しかも電力
会社が買い取る価格は、買い取り開始年度に適用された価格が10~20年間続く。そのため、
現行の買い取り価格が「高い」と値踏みすれば、12年度中に設備を整え運用を開始してしまえば、
発電所は儲かることになる。(※続く)
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