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ＡＩＪ投資顧問による企業年金消失事件で、同社傘下のアイティーエム（ＩＴＭ）証券社長、
西村秀昭容疑者（５６）＝詐欺容疑で逮捕＝が０５年ごろから顧客への飲食接待の様子を
インターネット上のブログにつづっていたことが分かった。接待相手の多くは年金基金幹部とみられるが、
ＡＩＪが自転車操業に陥ったとされる０７年７月以後も高級店での食事場面が頻繁に書き込まれていた。【野倉恵】
毎日新聞の入手したブログのコピーによると、西村社長は白髪で「銀髪」を名乗り、
タイトルは「銀髪グルメ紀行」。国会の証人喚問でもブログへの書き込みを認めており、
「８５年から７年半、オーストラリアに滞在」「独立したのが１０年前、４２歳」などの記述が西村社長の経歴と合致する。
ブログには料理の写真も張り付け、自分１人や家族での食事のほか、
「お客様」と会食した際の様子などを日記風に掲載。ＩＴＭの顧客の大半はＡＩＪのファンドを販売した年金基金のため、
「お客様」の多くは基金幹部とみられる。西村社長は国会の証人喚問で、
複数の基金幹部と同席のうえ１人当たり４万円前後の接待をしたなどと証言している。
０７年６月１５日付のブログでは東京・銀座の高級焼き肉店を訪れたとして
「お客様と食事に行くときは本当に嬉（うれ）しい。取材費が会社から出るようなもので、
財布の中身が減ることがないからだ」と記載。
同３月２日付では銀座の有名すし店で「
酒込みで一人約２万５０００円」の客との食事の模様をつづった。
同１５日付には「ワイン好きのお客さん」らと銀座の店でフォアグラなどを食べた後、
有名ショットバーで飲み「さらに店を替えてヘネシーのＸＯをがぶ飲み」と記した。
出張先でも０８年１１月１２日付で「福岡出身の芸能人が日本一と言った」ふぐで
有名な福岡市内の料亭で客と飲食したと記載。
同４月２２日付には「最高級食材を使った中華料理」を博多のホテル内の店で食べ「予算を大幅にオーバーしたが、
招待した皆さんは満足感一杯の様子」と記した。０９年７月２９日付では銀座で「松阪牛と今日の特選和牛（但馬産）の味比べ」をしていた。
「接待なのに一番楽しんでいるのはいつも銀髪」（０９年７月２９日付）、
「（ブログを）書き始めて５年半、行った店は１５００軒以上」（１１年３月１１日付、
なお私的な食事も含むとみられる）とも記し、グルメ趣味が高じて接待が過剰になった面もうかがわせる。
ブログに登場する都内の飲食店スタッフは「穏やかな人で、作り方をよく聞かれ、説明した。
一緒に来る人はまちまちだった気がする」と証言した。
ＡＩＪ側に数十億円を委託した首都圏の基金の加入企業の社長は「ＡＩＪが基金に食い込んだ裏に何かあると思っていた。
基金がＡＩＪを選んだ過程をきちんと明らかにしてほしい」と話した。
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