12/06/30 17:45:09.54
■札幌―東京が5時間1分 24年後開通
北海道新幹線の札幌延伸が正式に決まった29日、長年着工を国に働きかけてきた自治体や
経済界関係者らは喜びにわいた。開通は24年ほど後の2035年度。さっそく工期短縮を
求める声も出始めたが、道民にのしかかる財政負担や並行在来線問題など残された課題は
山積している。
■首長・経済界「感慨深い」
「やっと今日を迎えられた」。札幌市の上田文雄市長は昨年末に国が着工方針を示しても
「最終判断に至らず残念」と慎重だったが、この日は報道陣の取材に安堵(あんど)の
表情を見せた。
経済活性化のための街づくりに意欲を見せつつ、「札幌の都市機能を他の市町村に活用して
もらうのが最大の責務だ」と述べ、札幌一極集中にならないよう努める意向を示した。
新駅ができる小樽市の中松義治市長も「大変喜ばしい」との談話を発表。「人や物の流れが
活発化し、観光産業などに大きな影響をもたらすと確信する」と期待を示した。並行在来線
区間になる函館―小樽のJRからの経営分離の是非をめぐり沿線15市町で最後に同意した
函館市。工藤寿樹市長は取材に「順調に認可されてよかった」とした上で「3年後の(新函館
までの)開通に向けて全力で取り組むだけ」と話した。
経済界で中心となって誘致活動に取り組んできた道商工会議所連合会の高向巌会頭は「幾多の
紆余(うよ)曲折、長い道のりを経て道民の悲願がようやく実を結び、感慨ひとしお」との
談話を発表。「札幌までの日本の背骨を形成するだけでなく、東北との経済連携に必要不可欠。
一日も早く完成されるよう期待する」とした。
JR北海道の小池明夫社長は「整備計画が決定されてから実に38年を経ての全線認可で、
大変感慨深い」とのコメントを出した。
■VS.航空機 ■費用負担
高橋はるみ知事は記者会見で「大きな悲願だった」とした上で、認可直後に東京でさっそく
羽田雄一郎国土交通相と面会し「地元でも知恵を出し、工期短縮を改めてお願いするかも
しれない」と伝えたことを明らかにした。
ただ、工期が長くなったのはほかの未着工2区間と平行して工事するため、財政負担を平準化
するようにしたためだ。新たな財源がなければ不可能だ。
新幹線開業の効果をいかに上げるかも課題だ。
国の想定では、道内の最高速度は時速260キロ。貨物列車と線路を併用する青函トンネルでは
140キロで、札幌―東京の所要時間は最速で5時間1分になる。
ただ、所要時間が4時間以上なら鉄道より航空機が有利とされる。青函トンネルでの速度を
上げる策が練られているが、仮に260キロで走れても4時43分。320キロに高速化でき
ても4時間33分までがやっとだ。(※続く)
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