12/06/16 08:14:15.51
電力会社に発電した電力を売る大規模太陽光発電所(メガソーラー)の計画が、兵庫県内で
相次いでいる。再生可能ネルギー普及のため、7月から始まる固定価格買い取り制度が後押し。
土砂採取跡地や工場敷地、ゴルフ場跡などの遊休地が建設用地として脚光を浴び、自治体も
誘致に力を入れている。
公表済みで県内最大の計画は、淡路市佐野・生穂地区で、豊田通商と東京電力が出資する
発電大手のユーラスエナジーホールディングス(東京)が進めている。関西国際空港島の
埋め立て用土砂を採取した跡地約140ヘクタールのうち60ヘクタールを借り、出力
30~40メガワット(1メガワットは千キロワット)の発電所を整備。2013年度中
にも操業する。地元では跡地活用が長年の懸案だっただけに期待が大きい。
繊維メーカーのニッケ(本店・神戸市中央区)は、兵庫県稲美町と明石市にまたがる自社
ゴルフ場を閉鎖し、出力9・8メガワットの発電所を整備する。「保有不動産を有効活用
するため」とし、初めて売電事業に参入することにした。建設資材メーカーの太陽セメント
工業(大阪市)も加東、加西両市にまたがる工場用地に、出力計3・5メガワットの発電所
を建設している。
メガソーラー計画が相次いでいるのは、買い取り制度の価格が「想定していたよりかなり高い」
(太陽セメント工業広報担当者)からだ。太陽光は消費税込み1キロワット時当たり42円で、
発電側の要望に近い水準となり、6月中にも最終決定する。太陽セメントは、今後も計画が
増えるとみて「他社のメガソーラー建設も受注していきたい」と事業拡大を見込む。
自治体も、豊岡市がスキー場跡地などに1メガワットを計画。県企業庁は売れ残っている
淡路市佐野の産業用地で4メガワット規模の発電所を手掛ける事業者を公募中で、
「複数の応募があり、関心は高い」という。
ただ、これらの出力を足し合わせても最大58・3メガワット(5・83万キロワット)で、
原発1基分(約100万キロワット)に遠く及ばない。買い取り価格は電気料金に一部上乗せ
されて利用者の負担が増える。
日本総研・創発戦略センターの瀧口信一郎上席主任研究員は「買い取り価格の水準が維持され
れば計画はさらに増えるだろう。誘致する自治体にとっては、自然エネルギーの利用啓発だけ
でなく、住民にメリットを還元する市民ファンドなどの仕組みづくりが課題だ」と指摘している。
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